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Study

どのような慢性腰痛患者にとって、「ヨガ」や「理学療法」での治療/リハビリに良い反応が見られるのか?

どのような慢性腰痛患者にとって、「ヨガ」や「理学療法」での治療/リハビリに良い反応が見られるのか?

この論文は慢性的な腰痛(cLBP)の治療法として、ヨガと物理療法(PT)の効果を比較検討したもので、特に低所得で人種的に多様なコミュニティからの参加者を対象にしています。

論文の主な焦点は、どの患者がどの治療から顕著な改善を見せるかを予測する特徴(予測因子)を特定すること、および治療効果を変える可能性のある特徴(効果修飾因子)を特定することです。

研究では、ヨガとPTがセルフケアの書籍と比べて著しく機能改善をもたらす可能性が高いことが示されました(応答者の割合:ヨガやPTが43%、自己管理用の書籍が23%)。

特に、痛みに関する薬を使用している患者や、身体活動に関する恐怖回避信念が少ない患者が、ヨガやPTによって良好な結果を得やすいことが示されました。

論文では、ヨガとPTが同様に効果的であると結論づけられており、特定の患者の特性が治療の成果に大きく影響する可能性があります。

また、治療の期待が高い患者はその治療法により良好な反応を示すことが考えられ、これは臨床的な意思決定において重要な要素となり得ます。

一方で、教育レベルが低い患者や、精神的なストレスが高い患者は、自己管理の書籍からの恩恵を受けにくい可能性があり、より構造化された治療が必要であるとされています。

 下記、研究の要約まとめです。

Which Chronic Low Back Pain Patients Respond Favorably to Yoga, Physical Therapy, and a Self-care Book? Responder Analyses from a Randomized Controlled Trial

Eric J Roseen, DC, MSc, Hanna Gerlovin, PhD, David T Felson, MD, MPH, Anthony Delitto, PT, PhD, Karen J Sherman, PhD, MPH, Robert B Saper, MD, MPH
Pain Medicine, Volume 22, Issue 1, January 2021, Pages 165–180, https://doi.org/10.1093/pm/pnaa153
Published: 14 July 2020


【背景】
慢性腰痛は多くの成人に影響を与える一般的な問題であり、非薬物療法が第一選択として推奨されています。ヨガと物理療法は広く利用されていますが、どの患者がどの治療から最も恩恵を受けるかを特定する情報は不足しています。


【目的】
この研究の目的は、①ヨガ、②物理療法、③セルフケアのための書籍のいずれが慢性腰痛に対して最も効果的であるかを判断し、治療効果を変える可能性のある患者の特性(効果修飾因子)を特定することです。


【方法】
320人の成人がランダムに①ヨガ、②物理療法、または③セルフケアのための書籍のグループに割り当てられました。主なアウトカムは腰痛関連の身体機能の改善と痛みの軽減でした。患者の特性が治療反応をどのように予測または修飾するかを分析しました。


【結果】
①ヨガと②物理療法は、③セルフケアのための書籍と比較して、腰痛関連の身体機能の顕著な改善につながることがわかりました。痛みに関する薬物を使用している人や身体活動に関する恐怖回避が少ない人では、ヨガまたは物理療法の効果がより大きいことが示されました。


【考察】
治療に対する期待が高い参加者は、それぞれ期待する治療法でより良い結果を示す傾向があることから、治療選択において患者の期待を考慮することの重要性が強調されました。また、痛みに関する薬物を使用している人や特定の心理的特性を持つ人々は、特定の治療から特に恩恵を受けやすいと考えられます。


【結論】
①ヨガと②物理療法は、③セルフケアのための書籍と比較して、慢性腰痛の治療において有効な選択肢であり、特定の患者特性はこれらの治療の効果を修飾する可能性があることが示されました。治療の選択にあたっては、患者個々の特性と期待を考慮に入れることが推奨されます。

引用文献は下記よりご覧下さい.

もし、掲載内容と論文に誤りがございましたらご連絡いただけると幸いです。

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