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Mail Magazine

081:人類と葉っぱ

皆さま、生野菜はお好きでしょうか。当スタジオのヨガウェアを作っていただいてるデザイナーの方は、繊維選びからカット、裁縫、販売まで全て一人で完遂しないと気が済まないくらいの職人気質でして、僕の中では“硬派なお兄さん”なのですが、見た目に似合わず(というと失礼な話なのですが…)食べ物の好き嫌いが激しく、野菜を全く食べられないんですよね。彼は野菜のことを「野菜」とは言わずに、いつも「葉っぱ」とか「草」と呼ぶくらいなんですが…。



今では野菜を美味しいと思って食べている僕も、そういえば子どもの頃は野菜は苦手だったなあと思います。サラダもそうですし、付け合せでお皿に乗っている野菜ですらいつ食べるか悩むくらい避けたい食べ物でした。「子どもの頃は野菜が苦手だったなぁ…」という方、少なくないのではないでしょうか。



子どもの頃は味覚が敏感(味蕾が多い)ので、苦味や酸味に対して“これは毒かも”と思う為、苦手意識が強くなる傾向があるようです。「苦いものが美味しくなるのは老化である」と言われるくらいでして、大人になるにつれて味蕾の数が減り、苦味や酸味を感じづらくなり、野菜も珈琲もビールも美味しく感じるようになります。



たしかに、舌の老化による変化はあるのですが、もっと根本的なところに野菜とヒトの関りがあるのではないかとの研究結果が最近発表されました。ヒトはサルと同じ仲間であるということは、多くの方がご存知だと思いますが、もう少し遡っていくと、ネズミやウサギと共通の祖先なんですよね。なので、霊長類の祖先はネズミくらいの小ささだったそうです。そして、この頃の主食は昆虫であり、昆虫に含まれるヌクレオチドに強い旨味を感じていたとされています。



徐々に体が大きくなり、ヒトのように大型化した霊長類は、昆虫ではなくて葉に含まれるグルタミン酸に強い旨味を感じるように進化したのです。葉のグルタミン酸に旨味を感じられることによって、苦味のある葉からタンパク質を摂取できるようになりました。つまり、葉のグルタミン酸に反応することなく進化していたら、今でも僕たちは虫を主食としていたかもしれない…という話でもあるのですが、、、、。



このグルタミン酸は昆布やチーズ、緑茶などに大量の含まれているアミノ酸なのですが、このような食品がお好きな方も多いのではないでしょうか。トマトや魚介類、シイタケなどにも多く含まれているみたいですね。ちなみにこのグルタミン酸を使った調味料が、皆さんよくご存じの「味の素(グルタミン酸ソーダ / L-グルタミン酸ナトリウム)」です。海外生活のご経験がある方は、日本の味付けが少し恋しくなった時などに、中華料理屋に行って感じる「知ってる味」「落ち着く味」は、だいたいこのグルタミン酸ソーダ(味の素っぽい調味料)だったりします。



そんなグルタミン酸はタンパク質構成アミノ酸の一つなのですが、たんぱく質と炭水化物のバランスが寿命と繁殖力のトレードオフに関わるという、なんとも気になる話題について過去のメルマガに書いておりましたので、気になる方はSahanaメルマガ vol.205をご覧ください。



今まであまり生野菜を食べることはなかったのですが、最近は生野菜を、特にルッコラやサラダほうれん草などの葉ものをよく食べております。普通に美味しいと思いながら食べておりましたが、今回の子の話を知ってから、なんだか一口ひとくちをより噛みしめながら食べそうな気がします。皆さんのお勧めの食べる葉っぱを是非ともお教えくださいませ( info@studio-sahana.com )。



Sahanaメルマガ vol.217(2021年8月)より

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