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046:丑の2021年

新しい年になりましたね。皆さま、今年もよろしくお願いいたします。今日から仕事が始まる方は、既にお正月のめでたい気分は抜けてしまったかもしれませんが、しばらくは“新年”というものを感じながら過ごされることかと思います。さて、今年はどんな1年になるでしょうか。また、どんな1年にしたいでしょうか。



丑年と聞くと、僕の頭の中には、インドの道路の真ん中でくつろぐ牛たちのイメージばかり浮かんできます(まだまだお正月気分のところ、急にインドの風を吹かせてしまい、すみません…)。



インドにおいて牛は崇拝の対象でして、3億超もの神様が宿る動物とされています。3億超と言われても数が極端すぎて、牛の神聖さが逆に分からないと思うのですが(インドの昔の人たちは“大きい数を言えば説得力が高まる”と思っている節があります…)、皆さんご存知の仏陀さんの名前ゴータマ・シッダールタの「ゴータマ」という言葉の意味は「最上の牛」です。インドにおける輪廻転生では、人の1段階前が牛と考えられています。



聖なるものとして扱われているのですが、その起源は正確には分からないそうです。約3,000年前に編纂された書には「悪魔が天上の水源をせき止めてしまい、世界が干ばつで苦しんでいたが、インドラの神が悪魔を退治し、身ごもった牛とともに天上の水が解き放たれた」とされています(編纂した人が、よっぽどの牛好きだったのか、とてつもなく唐突な牛の神格化が始まっていますよね、、、)。今では牛肉を食べることは禁止されているのですが、この時代の上流カースト(富裕層)には、祭礼や戦勝祝いに牛が振舞われていたそうです。



牛を崇拝すると言っても、正確には「ゼビュー牛」と呼ばれる瘤の付いた牛が崇拝の対象でして、水牛は違います。なので、現代では、州によって水牛の肉が食べられるレストランもあります。2015年にはデリー近くのグルガオン(ハリヤナ州)という都市に少しだけ滞在していたのですが、宗教関係なく「牛肉を所持するのもダメ」というほどに規制が厳しくなった時がありまして、どうしても牛肉が食べたいという知り合いのロシア人と韓国人が、牛肉を闇取引をしていたのを思い出しました。日本にいる時には「牛肉の闇取引」なんてものを、目の当たりにする日がくるなんて、想像もしていませんでした、、、。



ちなみに、皆さんは、大晦日や正月にすき焼きを食べませんでしたか?きっと食べた方が多いかと思うのですが、なぜだろうなと、ふと思いました。日本人が牛肉が大好きだからか、すき焼きが、ちゃっかり年末年始の食べ物として定着している理由をご存知の方がいらっしゃいましたら、是非ともお教えください。





ついつい後半は、牛ではなく牛肉の話になってしまいましたが、禅の悟りを表した「十牛図」でも、牛が“真の自己”として描かれており、中国や日本でも、牛を崇拝するインドの影響を受けていますね。また、菅原道真公も牛を可愛がっていたそうで、各地の天満宮では臥牛と呼ばれる牛の像もよく見られますよね。なんだか、今年は色々な牛に目が行きそうな1年になりそうです。


Sahanaメルマガ vol.166より(2021年1月)

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