Study
鬱や不安症に対してのエクササイズ、ヨガ、瞑想の効果とは
近所をランニングしたり、遊びで卓球したり、体をすこし動かすだけでも「あぁなんだか心もスッキリしたな」という経験、ありませんか?
最近の日本では、フィットネスの面でも、メンタルヘルスの面でも、「ヨガってけっこーいいよね」という風潮を感じます。
そんな中、Saeedさん達研究者が、
『療法としてのヨガは、特にうつ病に対して良い(ポジティブ)の効果を示します。補助療法としては不安障害、特にパニック障害の治療を大いにサポートしてくれます』
と発表してくださいました。
まぁ、ヨガとストレス/鬱/不安 etc. に関しての研究は過去にたくさんたくさん行われているんですけどね。今回は「ヨガ」「太極拳」「気功」「運動」を色々見てみて、まぁ結局のところ【運動/アーサナ】【瞑想/マインドフルネス的観点】要素を併せ持つヨガって大きな効果を持っているんじゃないかという結論でした。
運動は鬱だけでなく、「心的外傷後ストレス障害(PTSD)」にも良い効果をもたらすよ、との報告も。
「フィジカル面」と「メンタル面」の2つの面を一度にアプローチできるヨガ、意外とすごくないですか?
まだ体験されたことがない方も、近所のヨガスタジオに体験レッスンなんて、どうですか?
将来の事を考えて「貯金」や「保険」をバッチリしておくのも大事ですが、「今の自分の体と心」もすごくすごく大事ですよね。
公民館でひっそりやっているようなヨガ教室にすごい先生がいらっしゃったりします。
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当スタジオでは「ヨガが精神障害に効果的である」と断言するつもりはなく、「医療機関での治療と並行してヨガをすると効果的かもしれない」または「薬の効果が出にくい方に対して、ヨガが症状緩和の手助けとなり得るかもしれない」と考えております。
「ヨガをしてみるのも、いいかもしれない」と、皆様にすこし興味を持っていただけるきっかけとなればと思い、論文をご紹介しています。
ヨガを使った研究にご興味がある研究者の皆様は、ぜひともお気軽にお問い合わせください。また、補完的な行為としてヨガにご興味がある医療関係者の方も、お気軽にご連絡ください。
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下記、研究の要約まとめです。
Depression and Anxiety Disorders: Benefits of Exercise, Yoga, and Meditation
SY ATEZAZ SAEED, MD; KARLENE CUNNINGHAM, PhD; and RICHARD M. BLOCH, PhD, East Carolina University Brody School of Medicine, Greenville, North Carolina
Am Fam Physician. 2019 May 15;99(10):620-627.
【目的】
「エクササイズ」「ヨガ」「瞑想」「太極拳」「気功」など、非薬理学的な介入が、うつ病や不安神経症の人の多くに対して有効的であるのかを調査しました。
【方法】
2018年の調査時点における過去のPubMed掲載記事から関連のある研究を、メタアナリシスとシステマティックレビュー(SR)によって検証。
【結果】
上述した非薬理学的な介入が、うつ病と不安障害の症状を改善できることを示していました。
▪エクササイズは、治療抵抗性うつ病、単極性うつ病、心的外傷後ストレス障害に対し、補助療法として、最も効果を示しやすいようです。
▪ヨガ(補助療法としてのヨガを含む)は、特にうつ病に対してプラスの効果を示します。補助療法として、不安障害、特にパニック障害の治療を容易にできるようです。
▪太極拳と気功は、うつ病の補助療法として役立つかもしれませんが、効果には一貫性がみられなかったとのこと。
▪メインの療法または補助療法として、マインドフルネスに基づく瞑想は、うつ病にプラスの効果があり、その効果は6か月以上続く可能性があるようです。
【結論】
マインドフルネスに基づくこれらの非薬理学的な介入による、明らかな悪影響はなく、それらの一般的な健康上の利点は、うつ病や不安障害の患者の補助療法としてプラスに働くことを示唆しています。
引用文献は下記よりご覧下さい.
もし、掲載内容と論文に誤りがございましたらご連絡いただけると幸いです。