
Study
混合性うつ病と不安に対する心理的グループ治療とヨガの統合

ヨガは、うつ病と不安の治療法として有望であることが示されているけども、それって集団での心理療法でも有効になり得るのか?ということを、スウェーデンの研究チームが調査してくれました。
結果、「ヨガと集団心理的治療の統合は、プライマリヘルスケア(※)におけるうつ病と不安の治療に対して実行可能なアプローチである」とのことです。
このようにヨガに良い効果が期待できるのであれば、今後、グループカウンセリングの一環としてヨガを取り入れるクリニックや、カウンセリングルームが登場するかもしれませんね。
「集団治療/グループカウンセリングと併用して有効」なのであれば、皆さんが普段何気なく通われているヨガスタジオで受講するヨガクラスにも「うつ病と不安の治療に対して効果が期待できる」と言えそうです。
楽しくて続けていることが、体の健康のみならず、心の健康にも関与している可能性があるなんて、とても良いですよね。
すでにヨガをされている方は、どうぞこのまま楽しく続けられてください。
今までヨガを体験したことがない方は、是非ともお近くのヨガスタジオに足を運ばれてみるのも良さそうですね。
(※)プライマリ・ヘルス・ケア(以下、PHC)は、すべての人にとって健康を基本的な人権として認め、その達成の過程において住民の主体的な参加や自己決定権を 保障する理念であり、そのために地域住民を主体とし、人々の最も重要なニーズに応え、問題を住民自らの力で総合的にかつ平等に解決していく方法論・アプローチでもある。PHCは、「すべての人々に健康を(Health For All by the Year 2000 and beyond)」イニシアティブの目標達成の鍵としてWHO加盟国によって承認された。
(引用:Wikipedia, https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%9E%E3%83%AA%E3%83%BB%E3%83%98%E3%83%AB%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%B1%E3%82%A2 アクセス日:2022.01.19)
下記、研究の要約まとめです。
Integrating yoga with psychological group-treatment for mixed depression and anxiety in primary healthcare: An explorative pilot study
GustavJonssonLisaFranzénMarkus B.T.NyströmPaul A.Davis
Department of Psychology, Umeå University, 901 87, Umeå, Sweden
Complementary Therapies in Clinical Practice
Volume 41, November 2020, 101250
【目的】
ヨガは、うつ病と不安の治療法として有望であることが示されています。現在のパイロット研究では、「感情に焦点を当てた心理教育」「思いやりに焦点を当てた療法」「プライマリヘルスケアのうつ病と不安に対するヨガ」の3つの要素を統合した、8週間の集団治療の実現可能性を調査しました。
【方法】
プライマリヘルスケアセンターでうつ病と不安の治療を求めている患者は、統合的なグループ治療(N = 14)または通常の治療(TAU、N = 17)のいずれかを完了しました。結果の測定は、治療前と治療後に分析されました。介入群の相関関係は、治療結果とセッション間のヨガ練習の量との間で調査されました。
【結果】
すべての結果測定値に対して、大きな効果が治療後に発見されました。この際、症状の軽減はグループ間(集団での治療 or 通常の治療)で差がありませんでした(p = 0.155)。失感情症の改善は、セッション間のヨガの練習の量と有意に相関していました(p <0.05)。
【結論】
ヨガを集団心理的治療と統合することは、プライマリヘルスケアにおけるうつ病と不安の治療へのいくぶん実行可能なアプローチです。
引用文献は下記よりご覧下さい.
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