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ヨガニードラの歴史とその健康効果

ヨガニードラの歴史とその健康効果

皆さま、「ヨガニードラ / ヨガニドラー」というものをご存知でしょうか。

ヨガニードラは、「ヨギック・スリープ(yogic sleep)」とも呼ばれる、古代のタントラ由来のリラクゼーション技法を簡略化したものです。この実習は、「ガイド付きのイメージトレーニング」と「シャヴァーサナ(仰向けで寝転がるポーズですね)」というヨガの姿勢を組み合わせたものです。目指すのは、睡眠とは異なり周囲への意識を保ちながらも深いリラクゼーション状態に達することです。

▼起源と特徴
・古代から存在している要素を含むものの、現代的な形で体系化されたのは1960年代。
・スワミ・サティアナンダ・サラスワティが書物を通じて広めた。
・他のヨガが集中や瞑想を重視するのに対し、ヨガニードラは完全なリラクゼーションを重視。
・初心者から上級者まで、誰にでも適しているとされる。

▼効果
・ストレス管理
・自己変容、創造性向上、学習能力の向上といった個人の目標達成
・身体的、精神的な健康改善


ヨガニードラは、身体的および精神的な健康に対して客観的に測定可能なプラスの影響を与えることが示されています。そのため、ストレス軽減や自己変容を目指す方法として注目されているんですね。


─────おまけコラム─────

【サンスクリット語の発音】
サンスクリット語では、「Nidra(निद्रा)」は最後の ā が長母音です。この長母音は、普通の「a」よりも少し引き伸ばして発音します。

そのため、以下のようになります:
・サンスクリット発音:ニードラー
・日本語表記:伝統的には「ヨガニードラ」が近いですが、「ヨガニドラー」と表記される場合もあります。

▼現代での使い分け

◆ヨガニードラ:
 …英語や現代のインドの発音に近い形で、日本語に取り入れられる際に使われることが多いです。実際の発音も「ニー」を少し伸ばす感じが一般的です。

◆ヨガニドラー:
 …サンスクリット語の原音に近づけた日本語表記で、特に学術的文脈や伝統を重視する場面で使われることがあります。


【じゃあ、どちらを使うべき?】
「ヨガニードラ」 は日本語のヨガ業界では一般的に受け入れられており、馴染みがあるためオススメです。「ヨガニドラー」 はサンスクリット語に忠実な表現を求める場面や、伝統的な解説を行うときに適しているのかも、しれません。お好みや目的によって使い分けてくださいませ。

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 下記、研究の要約まとめです。

The Origin and Clinical Relevance of Yoga Nidra

Pandi-Perumal SR, Spence DW, Srivastava N, Kanchibhotla D, Kumar K, Sharma GS, Gupta R, Batmanabane G. The Origin and Clinical Relevance of Yoga Nidra. Sleep Vigil. 2022;6(1):61-84. doi: 10.1007/s41782-022-00202-7. Epub 2022 Apr 23. PMID: 35496325; PMCID: PMC9033521.


『ヨガニードラの起源と臨床的重要性』


【背景】
ヨガニードラは、ヨガの一分野であり、古代インドのタントラの伝統に根差したリラクゼーション技法として知られています。その目的は、完全な心身のリラクゼーションを達成し、ストレスの解消や内面的な成長を促進することです。ヨガニードラの歴史は古代にさかのぼりますが、現代的な実践体系が確立されたのは1960年代で、スワミ・サティアナンダ・サラスワティによる著作がその普及のきっかけとなりました。ヨガニードラは、心の静寂を生み出し、意識を保ちながら深いリラクゼーション状態に到達することを目指しています。この技法は、日常生活でのストレスや心身の負担を軽減する方法として、初心者から上級者まで幅広い層に適しています。


【ヨガニードラとは】
ヨガニードラ(ヨギック・スリープ)は、伝統的なヨガの実践と異なり、意識を失わずに深いリラクゼーションを達成する瞑想法です。その実践はシャヴァーサナ(屍のポーズ)という仰向けの姿勢で行われ、ガイド付きで進められることが特徴です。集中力や瞑想を重視する他のヨガとは異なり、ヨガニードラは完全な「放棄」や「受容」の状態を促進します。そのため、体力や経験を問わず、あらゆる人に適しているとされています。

主な効果として、以下が挙げられます:


・深いリラクゼーション
 …身体的疲労や精神的緊張の解消

・自己変容
 …内面的な課題に向き合い、より良い自分を目指すプロセスをサポート

・学習や創造性の向上
 …心の静けさが新しいアイデアの生成や集中力の向上を助けます

・健康改善
 …ストレスが関与する多くの身体的・精神的症状を軽減


【ヨガニードラの研究の意義】
近年の科学研究は、ヨガニードラの効果を客観的に評価し、その実践がどのように心身の健康に寄与するかを探求しています。この技法の特異性は、リラクゼーション状態においても意識が完全に保たれる点にあります。

これにより、ヨガニードラは以下のような点で注目されています:

・ストレス管理
 …ストレスが引き起こす身体的・心理的症状を予防・軽減するツールとしての役割

・臨床応用
 …軽度のうつ、不安、糖尿病、ホルモン不均衡、痛み管理など、多岐にわたる健康問題への適用

・神経学的効果
 …ドーパミンの分泌促進や脳の血流増加など、脳機能への影響の解明。

これらの点から、ヨガニードラは現代医療と統合される可能性を秘めており、特に代替医療や補完療法の分野での応用が期待されています。


【パラメーターについて】
ヨガニードラの効果を測定するために、以下のようなパラメーターが用いられています:

・心理的健康
 …軽度のうつや不安のスコアの改善が報告されています。主観的幸福感や精神的安定感の向上。

・生理的指標
 …血糖値の低下、赤血球数の増加、ホルモンバランスの改善など。血圧や心拍変動(HRV)の改善が観察されています。

・神経学的指標
 …ドーパミン分泌や脳血流の変化。神経活動のパターンにおけるポジティブな変化。


【方法】
研究では、以下のような方法を用いてヨガニードラの効果を検証しています:

・対象者の選定
 …軽度から中程度のうつ、不安症状を持つ人々、糖尿病患者、学生など、幅広い集団が研究対象。

・実践条件
 …通常30分から1時間のヨガニードラセッションを設定。シャヴァーサナ姿勢で行われ、ガイド付きの音声指示が用いられました。

・測定手法
 …主観的評価(アンケートやスコアリングシステム)と客観的評価(血液検査、脳波、PETスキャンなど)を併用。


【結果】
研究の主な結果は以下の通りです:

・軽度のうつや不安が6か月のヨガニードラ実践で有意に改善。
・生理的な改善として、血糖値や赤血球数、ホルモンバランスの改善が確認。
・神経学的には、脳のドーパミン分泌の増加と血流改善が観察され、ストレス軽減や心の静穏につながることが示されました。
・心拍変動の向上や免疫力の増加も記録されています。


【考察】
ヨガニードラの科学的エビデンスは、その心理的・生理的効果を支持しています。ただし、「方法論の統一性の欠如」「サンプルサイズの不足」「他の介入との影響を分離する難しさ」のような課題もあります。

それでも、ヨガニードラは、特に軽度から中等度の症状に対して有効な代替医療として注目されています。また、長期的な実践により、心身の深い変容が可能になると考えられています。


【結論】
ヨガニードラは、ストレス軽減、心理的安定、身体的健康の改善に寄与する可能性が高い技法です。その特異性は、意識を保ちながらリラクゼーションを実現する点にあり、従来のヨガとは一線を画します。さらなる研究が必要であるものの、既存のエビデンスはヨガニードラの有効性を強く示唆しています。今後、より精緻な研究が進むことで、ヨガニードラの臨床的応用がさらに広がる可能性があります。

引用文献は下記よりご覧下さい.

もし、掲載内容と論文に誤りがございましたらご連絡いただけると幸いです。

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