176:日本とアーユルヴェーダ①
先日、ストレスについての話をする機会がありまして、あらためてヨガ的なストレスと、その対処法について考えていました。生理学的定義とは別に、ヨガにおいてのストレスの定義は色々あるのですが、僕が一番大事にしているのは「ストレスとはスピードである」という視点です。
スピードが上がれば上がる程、僕たちでは処理できない情報量や負荷がかかってくるため、心身ともに疲弊するよね…という考え方です。例えば、仕事が忙しいと負荷が大きいじゃないですか。お子さんがいて朝の支度の工程や時間の制約がかかると負荷が大きいじゃないですか。
ここで少し問題なのが、ただでさえスピードが上がりやすい日常生活なのに、自分でさらにスピードを上げているかもしれないということです。分かりやすいところで言えば、テレビ見ながらスマホいじったり、ネット配信番組を倍速で見たり…など。
そんな日常生活をスローダウンさせてくれるものとして、僕はヨガとアーユルヴェーダをお勧めしているんです。今回、そして次回はアーユルヴェーダについてのメルマガをお届けします(そうです、2月頭に開催されるアーユルヴェーダのオンライン講座の宣伝も兼ねておりますよ…!)。
アーユルヴェーダはインド伝統医学の一つで、身体と心のバランスを整えることを重視しています。その中心には、「アグニ(消化火)」の概念があり、良い消化が健康の鍵とされています。
日本の風土と食文化を考慮すると、アーユルヴェーダの食養生という考え方は、とても合っているんじゃないかなと思っています。ここで大事なのは、“インドの食材が”という訳ではなく、“食材に対する考え方”が、僕たち日本人の食文化にフィットしやすいと思っているわけです。
現在では薄れつつあるかもしれませんが、本来の日本的食文化と言えば、旬をとても大事にしていますよね。世界の中でも四季がはっきりとし(ていたはずなんですけどねえ…)、自然豊かな日本の土壌は、五感全てで季節を感じてきたわけです。
こういった本来の恵みに目を向けられると、「今の季節はこの旬の食材が──」「今年の冬は気候が──」など、普段の生活の中に季節を取り入れる“間”がたくさんできるのではないでしょうか。このような目の向け方が、忙しい毎日をスローダウンさせるはじめの一歩だと思います。
そんなアーユルヴェーダをもう少し詳しく見ていくのは、また次回のメルマガにて。
Sahanaメルマガ Vol.340(2024年1月)より