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Mail Magazine

091:病は記憶から

11月も中旬となりましたね。今からの紅葉シーズン、外を歩くのが楽しいのではないでしょうか。ここ横浜は、晴れた日に散歩をすると少し汗ばむほど暖かいですが、朝晩はグッと気温が下がり、空気の冷たさが段々と冬に近づいてまいりましたね。皆さま、体調はお変わりなくお過ごしでしょうか。



僕自身、今では全く風邪を引かなくなりましたが、子どもの頃はよく「どうすれば学校を休めるか」ばかりを考えておりまして、皆さんの子ども時代もそういったご経験はなかったですか。無理やりにでも休みたい理由のトップは「風邪気味だ」「お腹が痛い」という、いわゆる仮病でして、きっとご想像に難くないですよね。



僕のような学校が好きじゃない子どもからすれば、本当に病気してしまった日には、体は辛いけども気持ちは嬉しい…という、どちらかと言えば有り難い日でしたが、大人になると事情は変わってきます。大人になってからは、大切な日の前に体調を崩さないように気をつけても、当日に風邪を引いてしまって…、でも休めないので薬でなんとか体を奮い起こして…といった辛い思い出も経験されている方は少なくないかと思います。



また、“大事な会議の前にはよく体調を崩す…”“外せない予定の時に限って調子が…”なんてご経験はないでしょうか。ストレスやプレッシャーのかかる環境下では、体に不調が起きやすいとされているのですが、最近の研究で「脳には病気を記憶する回路があり、刺激するだけで病気と同じ部位に炎症が発生する」ことが分かったのです。過敏性腸症候群やアレルギー、はたまた学校や職場に行きたくなくてお腹が痛くなる症状まで、記憶が関係している可能性が大きいようです(いわゆる、原因が分からないけど体に不調が現れる、心身症と呼ばれる症状の解明が期待されております)。



なぜこのような記憶回路が備わっているかといいますと、「腐っている食べ物は食べちゃダメだ」「傷口から感染しそうな危険な状況にいてはダメだ」など、生存を脅かす状況や環境を脳が検知して、先行して免疫を活性化させ炎症を起こしておけば、生存率が上がるからではないかと考えられています。しかし、この免疫システムの先取りが不発すると、痛みや不調が伴った炎症だけ残るので辛いのです…。



昔から「病は気から」とよく言われておりますが、このことは間違いではなく、実際に脳の記憶回路が原因ではないかというところまで、最近の研究で分かってきました。研究者の方々は今後、トリガーとなる脳の病気記憶回路についてさらなる解明を目指し、心身症の治療薬の開発を可能にするため研究を進められるようです。ちなみに、僕の学生時代は、この心身症の緩和とヨガの効果についてを専門に研究しておりました。このあたりの話は、またいつかの機会に。ひとまず皆さんにお伝えしたいことは、ヨガって想像以上に体に良いかもしれないですよ、ということです。


Sahanaメルマガ Vol.228(2021年11月)より

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