Mail Magazine
065:初夏、タイショウガ
本日の横浜はとても暖かく…どころか、半袖で気持ちの良い天気でしたね。ご自宅の窓を開けられて過ごされた方も多かったことかと思いますし、外に出られていた方は汗ばむ程、体が温まったのではないでしょうか。
最近は「先日、(何処どこの)カレー屋に行きましたよ」などと教えて下さる方も増え(ているような気がします)、気温が上がってくると香辛料の効いた料理を食べたくなりませんか。僕の顔で香辛料だなんてワードを出すと、一気にインド感が溢れてしまうのですが…。前回のメルマガで十分にインドな雰囲気をお伝えしましたので、今回のメルマガは、インドの話でもカレーの話でもございません。
いろいろとインドっぽさが残る僕ですが、タイ料理もとても好きでして(そういえば今までタイ人には間違えられたことないですね…)、最近発表された研究論文の中に、僕を含むタイ料理が好きな方々にとっての朗報がございましたので、今回のメルマガにてご紹介します。
トムヤムクンやトムカーガイなどの料理によく使われる「ガランガル」というショウガ(正確にはショウガ科の1種で、ナンキョウと呼ばれます)に、異常な免疫反応を抑制する働き(ACAと呼ばれる成分)があることが解明されました。
このACAという成分は、日本の生姜や、中国産のものには含まれていないようで、今のところタイショウガにだけ確認されているとのことです(このフレーズだけでタイ料理を食べたくなりませんか)。
痛風やアルツハイマー型認知症の原因となる、特定の細胞内たんぱく質複合体の活性化を抑えてくれるようで、他にも動脈硬化、代謝性疾患など、様々な疾患の予防や治療のための創薬に発展することが期待されております。
もともと、タイにおいてタイショウガ(ガランガル)は、伝統的な医薬品としても用いられており、消化器疾患やアレルギーなどに対して効果があるともされているようです。そして他の研究では、この成分には抗肥満効果や認知機能の改善効果がある可能性も示されているという、なんとも希望に溢れた成分なのです。ちょっと、タイのショウガ、凄くないですか。
もちろん、タイ料理を食べたからと言って色んな病気の予防になるとは言えませんが、どうせお腹は空きますし、食事を選べるのであれば、これから気温の上がる季節はタイ料理なんて良いかもしれませんね。皆さまのお勧めのタイ料理屋さん、是非ともお教えくださいませ。
[引用元について]奈良先端科学技術大学院大学の織助教授と河合教授が、マレーシアにあるマラヤ大学のグループとの共同研究によって発表されたこの論文の詳細が気になる方は、是非ともこちら『https://academic.oup.com/intimm/article/33/7/373/6217095?login=true』をご覧下さい。
Sahanaメルマガ vol.199(2021年4月)より