Mail Magazine
052:タコと断食
今回のメルマガは、久しぶりに食事についてお伝えします(メールが届いて、1行目に「断食」とか「食事」という単語が目につくと、思わず開封してしまいませんか)。というのも、いつも髪を切ってくださる美容師の方が「最近、空腹時間を長くすることを気を付けていて」とお話をされていまして、勝手ながら不摂生な印象が強い(本当にごめんなさい…)美容師さんたちも食から健康を意識する時代なんだなあと。
お話を伺うと、1日に決められた空腹時間を作りながら、毎日を過ごされているらしく(以前のメルマガでもお伝えしたオートファジーですね)、その時はまだ始められて1週間くらいだったので、毎日空腹と闘って大変だとおっしゃっていました。今まで食事制限のダイエットをされたことがある方は、毎日カロリーや糖質を気にして大変だったご経験はないでしょうか。そして、大変だから続かなかったな…という方もいらっしゃるのではないかと。
「毎日カロリー計算を真面目にやりすぎる人ほど続かないぞ」というデータがありまして、厳密にやろうとするほど最終的には体重は変わらないかむしろ増えてしまうという悲しい傾向があるようです。なぜかと言いますと、減量に適したダイエットは人によって違うというだけなのですが、特に長期的に我慢しなければならないカロリー制限は、それが合わない人には逆効果のようです。
その反対に、「一時的だとわかっていれば厳しい摂生にも耐えられるぞ」という方もいっらしゃるかと思います。そんな方に試していただきたいのは“1週間に1日だけ断食する”というものです。既にご存知の方も多いと思いますし、中には実践してみた方もいらっしゃるかもしれませんね。この1週間に1日の断食が、減量に大きな効果が出る可能性は低いのですが、普段の食事量減少につながる可能性は高く、また健康に対する効果はかなり見込めるようです。ちなみに、これを極めていけば2日に1日の断食がとても効果が高いと考えられているそうですが、いやはや、これができれば仙人になれそうですよね、、、そして食費も半分、、、。
断食で調べていると、出産後の雌タコは何も食べなくなるそうで、真蛸でいえば1か月以上、卵が孵化するまで飲まず食わずで外敵から守り続けるんですよね。かつて観察された懐胎期間で最も長いのは、カリフォルニア沿岸の深海に生息するタコで、卵が孵化するまでのなんと4年半もの間、飲まず食わずで守り続けたそうです。もちろん人とタコで全然違う生き物なのですが、なんだかタコが頑張っているなら自分も頑張らないと…なんてことを思ってしまいます。
万人に断食をお勧めしているわけではないですが、この飽食の時代においてスティーブ・ジョブズが言った「ステイハングリー(stay hungry, stay foolish)」は、気持ちの面だけではなく、健康面においても考えさせられる言葉ですね。体調に気を付けながらも、ご自身の体質に合った食事法が1番であることは前提なのですが、外食する機会が減っている今、断食し放題のタイミングでもありますので、気になった方は是非とも16時間断食くらいから始めてみるのもいいかもしれませんね。
Sahanaメルマガ vol.177(2021年2月)より