Mail Magazine
049:発酵と微生物
前回のメルマガ(メルマガアーカイブ「48:お茶のすゝめ|脂肪燃焼」)でお茶についてお話したのですが、「なんだか、そのせいで先週末は烏龍茶を意識してしまって…」なんて事はありませんでしたか。ご飯の時には丁度いい飲み物ですし、なにより寝ている間に体脂肪を燃焼させる手伝いをしてくれるなんて、とても有難い飲み物ですよね。
お茶と言えば「緑茶」「烏龍茶」「紅茶」をすぐに想像されると思うのですが、この違いは何かご存知でしょうか。今回のメルマガのタイトルにある通り、「発酵しているか/していないか」、また「発酵の度合いはどれくらいか」でお茶の種類は分けられています。緑茶は不発酵茶で、烏龍茶は半発酵茶、紅茶は完全発酵茶です。さらに中国茶には後発酵茶(黒茶)というものがありまして、中華料理屋に行ったときに飲むプーアル茶が一番有名かと思います(時たまスタジオでお出しするコクの強いお茶が「六堡茶」という黒茶です)。
発酵を上手く利用することによって、茶葉を様々なお茶に加工するなんて、凄いなぁと思っていたら、ちょうど1年前のメルマガで「昔の中国茶は酷かったらしい」ということを書いてました、、、(なんだかこの時期にお茶について気になってしまう質のようです…)。
同じ茶の木(お茶の木の呼び方が「茶の木」って、至極シンプルでとても良いですよね)から採れる葉を発酵度別に加工すると言っても、緑茶は穏やかな気候の風土で育てられた方が適しているのに対し、紅茶は昼夜の寒暖差が大きくストレスの多い環境が適しているなど、そもそもの栽培方法が大きく異なるようですが。
と、僕自身と、このメルマガを読んでくださる方に、お茶の知識が着々と蓄えられ、ヨガスタジオというよりも「お茶俱楽部」のようになってきましたね。そして、今回は「あらためて発酵について知ると、日常の食事がとても見直されるんです」とお伝えしようと思っていたのですが、既にお茶の話で文字数が、、、な状況です。
そもそも、人体に悪影響を及ばさない腐敗のことを発酵と呼びまして、この過程には「酵母」「細菌」「カビ」などの微生物が関わっています。パン作りやアルコール作りに欠かせない「酵母」は、なんだか良いイメージだけを持たれている気がしますが、きっと「細菌」や「カビ」は悪い印象ばかりではないでしょうか(家の水回りはカビとの戦場だったりしますよね…)。
上述したお茶だけでなく、味噌や塩麹、ぬか床や甘酒など、日常には多くの発酵食品があり、健康のためにと日頃から意識して摂っていらっしゃる方も多いことと思います。もちろん発酵食品は腸内環境を整えてくれたり、抗酸化作用をもたらしたりと、体に良い影響を与えてくれるのは言うまでもないですね。そんな発酵食品を作ってくれるのは微生物のおかげであり、普段は見ることのできないくらい小さな生物ですが、食事を通してたしかな存在を感じられます。
昔は、食べきれなかったご飯や食用に適さなかった食材は、畑の肥料になったり、家畜の餌となったりと、最終的には土中の微生物に分解されていたんですよね。現在の農業においては、土壌を豊かにしてくれる糞尿を提供してくれる牛よりも、効率性の高いトラクターが主役で、酪農では本来の野生では食べることのない餌が主流で…と、安定した食材の供給によるとても大きな恩恵を受けているのですが、やはり「循環」って大事だなぁと。
発酵食品と微生物について調べていくと、意外と大きな仕組みについてまで発展してしまうのか…と、仕事終わりに、小難しい顔をして甘酒を飲みながらメルマガを書いております。あらためて思ったのは、「食」って本当に大きな生活の軸の1つですよね。発酵食品、いろいろと食べたくなりました。
Sahanaメルマガ vol.170より(2021年1月)