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040:秋とアーユルヴェーダ
今週も始まりましたね。晴れるのやら雨が降るのやら…と、天気が読めない最近の横浜です。出かける際には、傘を手に持つかどうか…と悩まれる方も少なくないかと思います。朝の時間に空と睨めっこされている方もいらっしゃるかもしれませんね。
空気がすっかりと乾燥してきまして、見た目も触感も、自分の肌が乾燥しているのが分かります。あまり外出しなくても、暖房の影響で、頻繁に乾燥を感じる季節がやってきましたね。皆様の肌の状態はいかがでしょうか。
夏は暑くて汗をよくかき、冬は寒くて乾燥するように、季節に合わせて私たちの体も常に変化しています。日常的にこのような変化に合わせる方法、季節毎にどう過ごすかを教えてくれるのがアーユルヴェーダです。
アーユルヴェーダと聞くと、「額にオイルを垂らして」とか、「全身をオイルでマッサージして」というイメージがあるのではないでしょうか。そのイメージで間違いではないのですが、正確にはオイルを使ってマッサージをしているのではなく、オイルを体にすり込むように撫でています(なので、アーユルヴェーダ病院で受けるこの行為は体がヌメヌメになるだけで、あまり気持ちよくはありません、、、笑)。
アーユルヴェーダ病院で…と聞くと、なんだか難しいことを想像してしまいますが、ほとんど全ての患者さんに対して、とても簡単なことが処方されています。それは、「体を温めること」と「体に適度な油分を保つこと」です(アーユルヴェーダにおいて、油分が組織を形成してくれるものとして考えられています)。特にこの2つのことが、病気を治すための準備段階としてとても大切であると考えられています。そして、日本の冬の養生法として、とてもお勧めです。
インドでは浴槽につかる習慣はなく(一部の寒い地域を除いてほとんど暑い気候ということもありますが)、蒸気を使ったり、病院で浴槽を用意したりと、体を温めることが意外と大変だったりします。ですが、ここ日本ではほぼ全ての家庭に浴槽があると思います。皆さんが何気なく「(今夜は湯船に浸かろうかどうしようか…)」と考えてしまうことは贅沢な悩みなのです。この時期はいつも体調を崩しやすいな…と思われている方は、なるべく毎日湯船に浸かるだけで、体の調子が整うかもしれません。
「体にオイルを塗りこむのがいい」とまでは言いませんが(是非とも保湿クリームをお使いください)、「油を摂ること」は意識していただくと良さそうです。特に食事制限をされている方からは嫌われがちな油ですが、意外と、意識していなくても摂取量が少なかったりします。なので、ほんの少しだけ意識されて、いつもの食事にちょっと多めに油を足してあげると、これからの季節は良さそうです。
このように、なにか特別なことをしたり、制限しながら生活するわけではなく、ただ「湯船に浸かること」「油を摂ること」をちょっと意識するだけで、今年の冬の体調がいつもより整いやすいかもしれません。ご自身の体を観察しながら、ぜひともお試しくださいませ。
Sahanaメルマガ vol.151より(2020年11月)