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Mail Magazine

027:期待とインドの洗礼

ここ数日で、この元町中華街エリアも、蝉が鳴き始めました。梅雨が明けていないタイミングで出てきてしまった蝉を思うと、なんだか切ない気持ちになってしまいます。明日から8月ですが、8月のスタートとともに関東甲信も梅雨が明けそうな予報みたいです。是非とも太陽を拝みたいところです。


いつもならば、夏休みにお盆に、子どもも大人も楽しい夏の始まりを感じる時期だと思いますが、今年は冷房と好きな本、映画やゲーム等が友達のような夏になりそうですね。個人的には2020年のプライベートの予定はもう何も立てておらず、外部から仕事のご依頼を頂戴する際も、最初から延期・中止案を盛り込んで進めております。


普段からそうなのですが、特に今は「期待せぬが吉」と思いながら日々を過ごしています。


ちょうど3年前の今頃、インドの大学院の入試があり、それなりにドキドキしながら現地に向かった時の話です。書類集めに一時帰国をしていたので、日本から向かったのですが、現地に到着する時刻は、夜0時過ぎでした。なので、到着後に休むためのホテルを、インターネットで予約してから日本を発ちました。


目的地のバンガロールという街は、日本からだと直行便がなく、必ずどこかでトランジットがあるので、最短ルートで向かっても、移動時間は10時間を超えます。無事にバンガロール空港に着いた時には、すでにかなり疲れていまして、早く休みたいという気持ちを抑えながらも、タクシーを拾って目的地のホテルへ。


タクシーが停車し、運転手が「着いたよ」と一言。僕も、“よし、着いたか”と思いタクシーから降りようとするのですが、辺りを見渡しても目的地のホテルが見当たらず。「(これが噂の観光客が騙されるやつか…)」なんて思いながら、タクシー運転手に対して、強めに苦情を言っていると、運転手も強めの口調で「ここが目的地やねん!」と。


ホテルの住所を確認して、現在地を確認して、照らし合わせると、やはりここが目的地で間違いないんですよね。そこで僕も運転手も、“ホテルの記載住所が間違えているのではないか(当時のインドでは、Googleマップなどに正しく表示されていないことがよくありました)”と思い、周辺も探すのですが、やはりホテルは見つからず。


再び、記載された住所に戻ってきて、ようやく気が付いたのですが、ちゃんと住所通りの場所に予約したホテルがあったのです。最初からそこにあったのですが、看板に明かりは付いておらず、玄関周りは工事中で、「(いやぁ、これは気が付かないなぁ…)」と思いながらホテルに入ろうとすると、警備員のおじさんが「数日前にこのホテル潰れたよ」と一言。


右も左も分からぬ地で、夜中の2時くらいに、予約していたホテルがしれっと廃業していたことを知るなんて、予想の斜め上を行き過ぎではありませんか。ホテルに期待していたわけではないのですが、予約したホテルが存在しなかったというキツネにつままれたような、インドの神々につままれたような、期待どころか“当たり前”という感覚を打ち壊された夜でした。


ちなみにタクシーの運転手は「まぁ、こういうこともあるから、早いとこ次のホテル探そうぜ」と、追加運賃は要らないから一緒に探してやると、とてもとても人情味溢れるスーパー運転手でした(「さっきは苦情を言って本当にごめんなさい…!」って10回くらい思いました)。インドで生活する人たちは、色んな事に期待していなくて、びっくりするくらい切り替えが早い人が多い印象です。


インドに行く「おしゃれなヨガ&アーユルヴェーダ・ツアー」よりも、「全身で理不尽を楽しむストレスマネジメント・ツアー」をいつか開催したいものです。


Sahanaメルマガvol.122より(2020年7月)

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