182:春はあけぼの、アーユルヴェーダ
春はあけぼの、つまり「春曙(しゅんしょ)」とは、春の空は、夜が明け始めた頃が美しいということを表す言葉です。朝早くに起きていらっしゃる方は、冬に比べて、最近の日の出時間が早くなってきたことを感じていらっしゃるかと思います。
そして、太陽の位置が変わっているだけでなく、空気や地面をはじめとする自然もかなり春めいてきました。インドの伝統医学であるアーユルヴェーダでは、宇宙の五大元素(地・水・火・風・空)が、人間の体質を形成する3パターンの体液に影響を与えると考えられています。
春は、自然が目覚め、新たな生命が芽吹く季節です。この季節は「水」と「地」の元素が優位になりやすいと考えられています(たしかに、冬を終えると湿度が上がっていきますし、雪が融けると川の水になりますね)。
植物が芽を出したり、動物が冬眠から目を覚ますこの季節は、僕たちヒトにとっても再始動のような位置づけとなります。春は体内に蓄積された毒素が排出されやすい時季とされ、デトックスに最適な期間なのです。
もう少し細かくお伝えすると、春を楽しく過ごすためには、今のような「冬の終わり~春の始まり」という移行期に、どれだけ体調を整えられるかが大事なのです。そして、整った状態で春を過ごせるということは、夏も快適に過ごすための準備ができるということになります。
そんな大事な今の時季、デトックスに大切なおすすめの食事法を2つお伝えします。
【食べ物】
軽くて温かい食事を心がけ、冷たい食べ物や重い食べ物は避けます。つまり、肉や魚などの多食を避け、新鮮な野菜や果物、穀物、豆類を積極的に取り入れ、スパイスを利用して消化を助けることが推奨されます。
【消化】
早寝早起きを心がけ、定期的な生活リズムを保つことが大切です。特に、夜遅くまでの飲食や活動は避け、消化力を落とさないようにしましょう。前日の夕食から、次の日の最初の食事までの時間を空けることが推奨されます(朝食を遅めたり、朝昼同時に11時頃に食べるのもいいですね)。
アーユルヴェーダの春の養生法を実践することで、自然のリズムに合わせた健康管理を行うことが可能です。「自然のリズムに合わせた健康管理」という言葉、なんだかとても「丁寧な暮らしをしているなあ」という気持ちにさせてくれますね。デトックスを意識してみて、新たな季節を迎える準備を楽しむことはいかがでしょうか。
Sahanaメルマガ vol.347(2024年3月)より