199:季節の変わり目こそ養生
季節の移り変わりを感じる今日この頃、皆さんはどのように過ごされていますか。秋は空気が澄んで心地よい反面、急な気温の変化や乾燥が私たちの体や心に影響を与える季節です。こうした変化に対応するために、体を整える『養生法』、つまり季節に合ったケアがとても大切になります。
僕たちが普段何気なく行っている生活習慣や食事の選び方は、季節ごとの体の変化に大きな影響を与えます。例えば、日本には昔から四季に応じた「養生の知恵」がありますよね。春には体を目覚めさせ、夏には涼しさを保つ工夫、秋には乾燥から身を守り、冬には体を温める食事や生活習慣が根付いています。
東洋医学では、「人間は自然の一部である」という思想が根底にあります。つまり、季節や環境の変化が人間の体や心に大きな影響を与えるため、自然のサイクルに調和して生きることが健康の基本とされているのです。
この考え方は「天人合一(てんじんごういつ)」という概念で表現されます。養生法とは、この自然のリズムに合わせて、体を調整し、病気を未然に防ぐための方法です。「病気をしてから、どう治すか」よりも、「病気を予防するために日々の習慣を見直すこと」が、結果的に大きな健康効果をもたらしますよね。
1年を春・夏・秋・冬の4つの季節に分けた時、それぞれの季節に応じた体のケア方法が存在します。特に秋は、「乾燥」と「冷え」が強まり、呼吸器や皮膚、消化器系への影響が大きいため、これらを保護・補強する養生法が重視されます。
乾燥によって体の潤いが不足すると、肺や大腸が影響を受けやすくなります。東洋医学では、肺は乾燥に弱く、潤いが不足すると咳、痰、喉の痛み、乾燥肌などが引き起こされるとされています。また、冷えが進行すると血流が悪くなり、消化機能や免疫力が低下するため、風邪や消化不良を引き起こしやすくなります。
こうした季節の影響を和らげるために、秋には潤いを補い、体を温めることが重要な養生法となります。これらの知恵は、現代の忙しい生活の中でわれわれが忘れがちな「自分自身の体や心に耳を傾けること」をあらためて思い出させてくれますよね。
季節の移り変わりと共に、体の声に耳を傾け、生活習慣を見直すことは、心身のバランスを保つために非常に効果的です。そんな季節の移り変わりと、ご自身の身体にフォーカスを当てる講座「はじめてのアーユルヴェーダ講座」を開催します。
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Sahanaメルマガ vol.376(2024年9月)より