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Study

「高血圧患者におけるヨガの効果:ポーズあり/なしの比較付きランダム化試験

「高血圧患者におけるヨガの効果:ポーズあり/なしの比較付きランダム化試験
記事作成日
2021年6月18日

高血圧って、なかなか厄介な相手ですよね。ただ薬を飲んで「はい終わり」ではなくて、生活全体を少しずつ変えていくことも大事になってくる。そんなとき、「ヨガってどう?」って気になる人も多いと思うんです。でも、ヨガって一口に言っても、ポーズがメインのタイプもあれば、呼吸や瞑想が中心のタイプもあって、どれを選ぶのがいいのか迷うところ。

そこでこの研究は、とってもいいヒントをくれるんです。「ポーズなしヨガ」と「ポーズありヨガ」を比較したランダム化試験で、効果の違いをしっかり見ているところがポイント。12週間、週に90分のヨガをするという内容で、高血圧薬を飲んでいる患者さんたちを対象にしています。

結果として、呼吸と瞑想に特化したポーズなしヨガは、24時間の収縮期血圧が対照群よりも約3.8 mmHg低くなったんですね。これは短期的にはかなり心強い効果です。しかし、拡張期血圧の変化は見られませんでした。それでも、ポーズなしヨガが「血圧に対する即効的な効果」を示してくれたのは重要な発見です。

一方、興味深いのは、「ポーズありヨガ」も見捨てられないって点です。追跡調査の最後の段階では、むしろポーズありのほうが血圧の低下が長続きしていた傾向が見られたんですね。これがなぜかというと、ポーズ付きのほうが日常に取り入れやすく、習慣になりやすかったからかもしれない。おそらく、アーサナ(ポーズ)によって等尺性や有酸素性の運動効果も期待でき、それが長期的な血圧コントロールに役立つ可能性があるわけです。

それに、呼吸と瞑想って、副交感神経を高めてリラックス状態を促す効果がありますし、短期的にはストレスを減らし、交感神経を抑えることで血圧が下がるんですね。だけど、続けないとそれも効果の持続が難しい。だから、最初は呼吸と瞑想中心のヨガで「血圧が下がる感覚」をつかみつつ、続けやすいスタイルとしてポーズを加えるのもアリかなと思います。

また何より、この研究では重大な副作用がほとんど報告されていなくて、「安全である」という点も見逃せません。だから、薬と併用する補完的な治療として、ヨガは十分に推奨できる選択肢だと感じます。

もしあなたが高血圧で、「ちょっと運動は苦手だけど、心身を整えたいし薬だけでなく自然な方法も試したい」と考えているなら、まずは呼吸と瞑想ヨガから始めてみるのがおすすめです。そして継続できそうなら、ポーズを取り入れたヨガにステップアップする。その流れで、血圧の改善をより長く、自分のリズムで持続させていけるはずです。

薬を飲むだけではなく、自分の体や心を整える方法を少しずつ増やしていく。ヨガはそんなケアを応援してくれる、まさに体と心の味方になってくれる存在です。

 下記、研究の要約まとめです。

Yoga in Arterial Hypertension

Cramer, H; Sellin, C; Schumann, D; Dobos, G
Dtsch Arztebl Int 2018; 115: 833-9. DOI: 10.3238/arztebl.2018.0833

【タイトル】
「動脈性高血圧におけるヨガ — 三群ランダム化比較試験」


【背景】
世界的に高血圧は重大な公衆衛生課題であり、WHOによれば毎年約940万人の早期死亡が高血圧によって引き起こされている状況です。国際的なガイドラインでは生活習慣の改善、特に運動やストレス管理が推奨されており、ヨガはその一つとされます。既存の研究やメタ分析では、ヨガには血圧を低下させる効果が認められますが、その中でも呼吸法や瞑想などの精神的要素を重視するスタイルに効果があり、身体的なポーズ(アーサナ)があるスタイルでは効果が薄いとの知見があります。しかし、ポーズあり/なしヨガの効果が直接比較された研究は存在しないため、本試験が実施されています。


【高血圧症について】
高血圧は長期的に心血管系に負担をかけ、脳卒中や心筋梗塞など重大な疾患リスクを高めます。薬物療法に加え、生活習慣改善が不可欠であり、この観点からヨガが有効な補完療法として注目されています。


【動脈について】
動脈高血圧は動脈の継続的な高負荷状態を意味し、末梢血管抵抗の増加や血管内皮へのダメージなどが生じている状態です。血圧のわずかな低下でも動脈への負担軽減につながり、長期的には心血管リスク低減につながります。


【ヨガとの関係性とは?】
本研究では、ヨガの中でも、呼吸法や瞑想に特化したスタイルと、身体的ポーズを含むスタイルとを比較しています。呼吸法・瞑想は副交感神経を高め、交感神経を抑制することで短期的に血圧を低下させるとされ、ポーズ付きは長期的な効果を維持する可能性があります。


【方法】
高血圧で薬物治療中の患者75名(72%が女性、平均年齢58.7歳)を、①ポーズありヨガ群、②ポーズなしヨガ群、③待機群(対照)の三群に無作為に割り付け、週90分のヨガを12週間実施しました。主要評価項目は24時間血圧(収縮期・拡張期)で、評価者は介入内容を盲検化しています。


【結果】
介入終了時点では、ポーズなしヨガ群において、24時間収縮期血圧が対照群に比べて平均−3.8 mmHg、有意に低下し(p=0.035)、またポーズありヨガ群と比較しても−3.2 mmHgの有意低下がみられました(p=0.045)。一方で拡張期血圧には有意差は認められませんでした。重篤な有害事象は報告されませんでした。


【考察】
まず、ポーズなしヨガは短期的に効果があり、精神的アプローチが動脈性高血圧に即効性の改善をもたらすことが示されました。一方で、介入終了後(追跡期間)の結果を見ると、ポーズありヨガ群のほうがより継続的な血圧低下を示した可能性もあり、これはポーズ付きのほうが日常生活に組み込みやすく、継続率が高かったことが影響しているかもしれないと考察されています。また、ポーズが等尺性や有酸素性トレーニングに類似した効果をもち、長期的な降圧に寄与する可能性も指摘されています。


【結論】
呼吸・瞑想によるヨガは短期的に収縮期血圧を有意に低下させる効果があり、安全かつ薬物治療との併用療法として推奨可能です。ただし、長期にわたる血圧の低下を目指すなら、ポーズを含むヨガを取り入れることが持続性において有効な可能性があります。

引用文献は下記よりご覧下さい.

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