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成人2型糖尿病患者におけるヨガの効果:血糖・脂質・BMIへの影響を分析したレビュー

成人2型糖尿病患者におけるヨガの効果:血糖・脂質・BMIへの影響を分析したレビュー
記事作成日
2021年1月21日

糖尿病と日々向き合っている皆さんの中には、運動は苦手だけど血糖値も気になる‥そんな葛藤を抱えている人も多いのではないでしょうか。そこで今日は、ヨガがどれほど2型糖尿病に“静かな助け”になりうるかを示す研究を紹介したいと思います。

この研究は、2型糖尿病の成人を対象にした23件の試験をまとめたメタ分析です。合計2,473名を扱った大規模な分析で、評価された指標はHbA1c、空腹時血糖、食後血糖など、血糖コントロールの信頼できる指標ばかり。結果を端的に言えば、ヨガを続けることでどの指標も有意に改善した可能性があるというものです。

たとえば、HbA1cは長期的な血糖の平均を示す値ですが、ヨガによって中等程度の改善が見られたということで、日々の血糖が確実に整っている感覚を得られる可能性があります。さらに、脂質や血圧、コルチゾールのようなストレスマーカーまで良くなったという報告もあり、身体全体の調子が整っていく流れを感じさせます。

「ヨガって静かな世界の話でしょ?」と思う方もいるかもしれませんが、身体の柔軟性だけでなく筋肉の緊張をほぐしたり、副交感神経を刺激する効果もあるので、実は血糖にだって影響を与えるんです。

もちろん、この分析には限界もあります。介入の内容や継続期間、対象者の条件が研究ごとに違うので、「どのヨガが効くの?」と聞かれても答えはすぐ出ません。ですが、「ヨガ、全然やってなかったけど、ちょっと身体動かすのならできるかも」という方には、すごく取り入れやすい選択肢です。

始め方は簡単です。まずは椅子に座ってできる伸びや呼吸のヨガから。そして無理のない範囲で続けてみてほしいです。朝10分でも夜のリラックスタイムに5分でも、続けることで身体に変化が表れるかもしれません。

血糖をコントロールするのに、薬も大切。でも薬だけじゃ届かない場所に、ヨガはやさしく手を伸ばしてくれる存在かもしれません。「今日は血糖が気になるけど、動くのは億劫…」そんな日の小さな背中の支えになる、そのくらいの気持ちでヨガに触れてみてはいかがでしょうか。

 下記、研究の要約まとめです。

The effects of yoga among adults with type 2 diabetes: A systematic review and meta-analysis.

Herpreet Thind, Ryan Lantini, Brittany L. Balletto, Marissa L. Donahue, Elena Salmoirago-Blotcher, Beth C. Bock, Lori A.J. Scott-Sheldon,
The effects of yoga among adults with type 2 diabetes: A systematic review and meta-analysis,
Preventive Medicine,
Volume 105, 2017, Pages 116-126, ISSN 0091-7435,
https://doi.org/10.1016/j.ypmed.2017.08.017.

【タイトル】
2型糖尿病を有する成人におけるヨガの効果:系統的レビューとメタ分析


【背景】
2型糖尿病(T2DM)はインスリン抵抗性と分泌障害をもとに発症し、血糖値の慢性上昇により合併症のリスクが高まる生活習慣病です。薬物療法に加え、食事や運動などによる血糖管理が重要視されており、近年ヨガも補完療法として注目されています。本研究では成人T2DM患者を対象に、ヨガが血糖や関連リスクに与える効果を定量的に評価することを目的としています。


【糖尿病とは?】
糖尿病とは、血糖値が慢性的に高くなる慢性代謝疾患で、体がインスリンを適切に利用できない(2型)ことで特徴づけられます。これにより、心血管疾患や神経障害、腎症などの深刻な合併症リスクが高まるため、血糖コントロールが不可欠です。


【Ⅱ型糖尿病について】
2型糖尿病は生活習慣の乱れ、特に肥満・運動不足・ストレスなどによって悪化しやすく、管理には運動療法や食事療法が欠かせません。ヨガは身体活動だけでなく、ストレス軽減や全身性の調和を促す心身統合的アプローチとして、補助療法として注目されています。


【方法】
研究チームは電子データベースを検索し、ヨガ介入を行い、対照群と比較した8週間以上の介入を対象とする23件の研究(計2,473名)を抽出し、HbA1c(Glycated hemoglobin)、空腹時血糖(FBG)、食後血糖(PPBG)を効果指標としてメタ分析を実施しました。


【結果】
ヨガ実践群は対照群と比べて、HbA1cが中等効果サイズ(d+=0.36)、空腹時血糖がやや大きな(d+=0.58)、食後血糖も改善(d+=0.40)と、それぞれ有意な改善を示しました。さらに脂質プロファイル、血圧、BMI、腹囲比、コルチゾールなどの改善も報告されました。


【考察】
このメタ分析はヨガが2型糖尿病患者の血糖コントロールやその他の代謝リスク因子を改善する可能性を示唆しています。ただし、対象となった研究の質は平均で41%と、研究デザインには改善の余地があり、特に長期的効果の検証が必要とされています。


【結論】
ヨガは短期間において、2型糖尿病患者の血糖値、脂質、BMIなどの改善に寄与するとされる安全で有望な補完療法です。ただし、長期的かつ高品質な研究によって効果の持続性や最適条件を明らかにする必要があります。

引用文献は下記よりご覧下さい.

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