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パーキンソン病患者におけるマインドフルネスヨガとストレッチ・筋力トレーニングの比較

パーキンソン病患者におけるマインドフルネスヨガとストレッチ・筋力トレーニングの比較
記事作成日
2021年4月1日

南インドの大学院時代でも、2年間ずっと解剖生理病理学の授業テーマとして扱われてきた一つに「パーキンソン病」があります。

パーキンソン病って、身体の動きがぎこちなくなるイメージが強いかもしれませんけれど、実は心のつらさも一緒に襲ってくる。動きが悪くなることで、人前に出るのがおっくうになるし、「今日はうまく歩けるかな」と不安になる。そこにさらに、抑うつの気分も重なると、「なんとかしたいけれど…」と途方に暮れてしまうこと、ありますよね。

そんな悩みを抱えるあなたにも、おすすめしたい研究がこちらです。香港で行われたランダム化試験で、軽度〜中等度のパーキンソン病患者さんたちを対象に、マインドフルネスヨガとストレッチ+筋トレを比較したんです。

週1回、ヨガは90分、ストレッチは60分、どちらも8週間続けてみるという内容なんですけど、結果は面白い。運動面の改善はどちらにもあったけど、ヨガをした人たちだけが、「不安や落ち込み、本当に減った」と心から感じられたんです。

不安を表す数字(βという値)を見てみると、T1(8週時点)で−1.79、T2(20週時点)で−2.05と、しっかり抑うつや気分の落ち込みが減ってる。それだけじゃなくて、「苦しい状況にどう向き合えばいいか」が分かるようになったり、自分の生活そのものに幸せを感じられるようになったりという報告も出ているんですよ。


「運動としてヨガをやってるだけじゃないの?」と思われるかもしれませんけど、これが「心への働きかけ」があるかないかで、効果に差が出るんですね。呼吸に意識を向けながら、体を動かしながら、「今ここ」を丁寧に味わう──そういう一連の流れが不安や落ち込みをほどいてくれるんです。

しかも、たった8週間、週に1回の取り組みで効果が出ているのもうれしいポイント。あまり長続きしないかも…という心配も、「6回くらい続けたころに気持ちの変化に気づいた」という声もあって、結構現実的な気がします。

もちろん、ヨガが合わない方もいるかもしれません。それでも、運動って身体のためだけでなく、心の健康も支えるものだと考えると、ストレッチでも筋トレでも何かやってみるのは、本当に大きな価値があります。でも、もしちょっとでも「心も楽になりたい」と思うなら、このマインドフルネスヨガは試してみる価値が十二分にあります。

呼吸のリズムに合わせて体を動かすことで、体も心もほぐれていく、自分自身を取り戻すきっかけになるかもしれません。

だから、もしあなたやご家族、あるいはリハ専門の方に、「PD患者に何か新しい方法を」と考えているなら、この研究はとても希望が持てる提案になります。体を動かすことと心を整えることが両立できる方法として、本当におすすめです。

 下記、研究の要約まとめです。

Effects of Mindfulness Yoga vs Stretching and Resistance Training Exercises on Anxiety and Depression for People With Parkinson Disease: A Randomized Clinical Trial

Kwok JYY, Kwan JCY, Auyeung M, et al. Effects of Mindfulness Yoga vs Stretching and Resistance Training Exercises on Anxiety and Depression for People With Parkinson Disease: A Randomized Clinical Trial. JAMA Neurol. 2019;76(7):755–763. doi:10.1001/jamaneurol.2019.0534

【タイトル】
パーキンソン病の人々における不安とうつに対するマインドフルネスヨガとストレッチおよびレジスタンストレーニング運動の効果:無作為臨床試験


【背景】
パーキンソン病(PD)は運動に関する症状だけでなく、不安やうつといった心理的ストレスも引き起こし、生活の質に大きな影響を与えます。運動療法は推奨されていますが、ヨガのような心身統合的アプローチがストレス管理に有効かどうか、その比較研究はこれまで限られていました。そのため本研究では、マインドフルネスヨガと一般的なストレッチ・レジスタンストレーニング(SRTE)を比較し、精神状態や身体機能、生活の質に与える影響を検証しています。


【パーキンソン病について】
パーキンソン病は中枢神経が徐々に障害される進行性の疾患で、震えや動作の遅れ、筋固縮といった運動症状が主な特徴です。加えて、不安やうつ状態といった心理面の問題も頻繁に併発し、これらが運動症状をさらに悪化させたり、生活の質を低下させたりすることがあります。こうした包括的な管理が重要視されるようになっています。


【ヨガとの関係性とは?】
マインドフルネスヨガは、ハタヨガのアーサナ(ポーズ)に、呼吸法と瞑想によるマインドフルネスを組み合わせたもので、身体だけでなく心の状態にも働きかけます。これに対して、SRTEは主にストレッチや筋力トレーニングを通して身体機能の改善を目指すものです。本研究では、これら二つの手法がPD患者に与える効果を比較する形で検証が行われました。


【方法】
香港の4つの地域リハビリ施設において、軽度〜中等度のパーキンソン病患者138名(平均年齢 63.7歳、約47.1%男性)を対象に、マインドフルネスヨガ群とSRTE群に無作為に割り付け、8週間のグループプログラムを実施しました。ヨガは週1回90分、SRTEは週1回60分の介入を提供し、評価は登録時(ベースライン)、8週時点(T1)、20週時点(T2)で行われました。主な評価項目は、不安と抑うつの症状(Hospital Anxiety and Depression Scale)、運動症状の重症度、機動性、精神的ウェルビーイング、健康関連生活の質(HRQOL)でした。


【結果】
マインドフルネスヨガ群は、SRTE群と比較して、不安・抑うつ症状の改善が有意に大きく、T1およびT2の両時点でβ値がそれぞれ−1.79/−2.05(不安)、−2.75/−2.75(抑うつ)という結果でした(いずれもP < .001)。精神的な困難への対処感や平静さ、HRQOLもヨガ群で大きく向上しました。運動機能や機動性については両群とも改善が見られましたが、差は臨床的には大きなものではありませんでした。


【考察】
運動療法はPDの運動症状改善に不可欠ですが、本研究ではマインドフルネスヨガがSRTEと同等以上に運動面で効果を示す一方で、不安や抑うつ、精神的ウェルビーイング、生活の質においてさらに上回る効果が得られた点が注目されます。特にマインドフルネス要素が心理的不調に対する鍵である可能性が示唆され、PD治療において「心と身体の統合的アプローチ」が有効であることが示された意義深い結果です。


【結論】
マインドフルネスヨガは、パーキンソン病患者において、ストレッチやレジスタンストレーニングと同等以上の運動機能改善効果を持ちつつ、さらに不安・抑うつ症状の軽減、精神的幸福感の向上、生活の質の改善といった付加的メリットが期待できる有効かつ安全な介入法です。運動だけでなく、心理的ケアも重視するより包括的なリハビリにおいて、実用的な選択肢として推奨されます。

引用文献は下記よりご覧下さい.

もし、掲載内容と論文に誤りがございましたらご連絡いただけると幸いです。

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