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軽度~中等度のパーキンソン病患者におけるヨガプログラムの安全性と利点の検証(香港)

軽度~中等度のパーキンソン病患者におけるヨガプログラムの安全性と利点の検証(香港)

南インドの大学院時代でも、2年間ずっと解剖生理病理学の授業テーマとして扱われてきた一つに「パーキンソン病」があります。以前よりインドの研究では、ヨガがパーキンソン病の症状緩和に効果的であると見方がされてきましたが、今回はこの症状に関する海外の論文をご紹介します。


「臨床診療ガイドラインはパーキンソン病(PD)患者の運動を推奨しているけど、その症状とストレスの管理において、ヨガが優れているかどうかを確認した試験はないよね?」ということで、香港の研究チームがヨガを用いた研究の結果を出してくれました。

近年は、香港や中国などの研究チームが積極的にヨガを用いた研究や調査を行っている印象があります。この記事をご覧の方で、香港もしくは中国在住の方がいましたら、「最近こちらでははこんな感じのヨガが流行っているよー」なんてことを、是非ともお教えください。


この研究では、軽度から中等度のPD患者の「心理的苦痛」「身体的健康」「精神的幸福」および「健康関連の生活の質(HRQOL)」に対するマインドフルネスヨガプログラムと、ストレッチおよび*レジスタンストレーニングエクササイズ(SRTE)の効果を比較しました。

(*レジスタンストレーニングエクササイズ: 筋肉に負荷をかける動作を繰り返し行うトレーニングのことで、いわゆる「筋トレ」です。)


そうすることによって、「(ただのエクササイズではなく)マインドフルネスに基づく運動であるヨガは、軽度から中等度のパーキンソン病の人々のストレスと症状を管理するための手段として、安全で好ましいのか?」を証明しようと試みてくださったようです。


結果としては、「マインドフルネスヨガプログラムは、パーキンソン病の患者が身体的および感情的なニーズに対処するための安全で好ましい対処戦略であるように見えました」とのことです。

さらに、「従来のストレッチや筋力トレーニングのエクササイズと比較して、ヨガは運動症状と可動性に関連する同等の効果がありました。それに加えて、『精神的苦痛』『精神的幸福』『健康関連の生活の質』に追加の効果を示しました」とのことで、効果的で安全な治療オプションであるように思われる結果でした。


もちろん、この結果はパーキンソン病とヨガの関係性を調べる研究の一つにすぎませんが、このように、また一つでもヨガの効果が認められるような論文が発表されて嬉しく思います。

 下記、研究の要約まとめです。

Effects of Mindfulness Yoga vs Stretching and Resistance Training Exercises on Anxiety and Depression for People With Parkinson Disease: A Randomized Clinical Trial

Jojo Y Y Kwok 1, Jackie C Y Kwan 2, M Auyeung 3, Vincent C T Mok 4, Claire K Y Lau 5, K C Choi 6, Helen Y L Chan 6

1: School of Nursing, Li Ka Shing Faculty of Medicine, The University of Hong Kong, Hong Kong Special Administrative Region.
2: The Hong Kong Society for Rehabilitation, Hong Kong Special Administrative Region.
3: Department of Medicine, Pamela Youde Nethersole Eastern Hospital, Chai Wan, Hong Kong Special Administrative Region.
4: Department of Medicine and Therapeutics, Therese Pei Fong Chow Research Center for Prevention of Dementia, Gerald Choa Neuroscience Centre, Faculty of Medicine, The Chinese University of Hong Kong, Hong Kong Special Administrative Region.
5: Department of Medicine and Therapeutics, Prince of Wales Hospital, Hong Kong Special Administration Region.
6: The Nethersole School of Nursing, Faculty of Medicine, The Chinese University of Hong Kong, Hong Kong Special Administrative Region.

JAMA Neurol. 2019;76(7):755-763.
doi:10.1001/jamaneurol.2019.0534


【目的】
軽度から中等度のパーキンソン病患者の「心理的苦痛」「身体的健康」「精神的幸福」および「健康関連の生活の質(HRQOL)」に対する、マインドフルネスヨガプログラムと、ストレッチ及びレジスタンストレーニングエクササイズ(SRTE)の効果を比較することを目的としました。


【参加者】
香港の4つのコミュニティリハビリテーションセンターで実施されました(期間:2016年12月1日~2017年5月31日)。特発性PDの臨床診断を受けた合計187人の成人(18歳以上)の中から、補助装置の有無にかかわらず立って歩くことができた人が、選出されました。138人の参加者には65人の男性(47.1%)が含まれ、平均(SD)年齢は63.7(8.7)歳、平均(SD)MDS-UPDRSスコア(運動障害学会統一パーキンソン病評価尺度)は33.3(15.3)でした。


【方法】
参加者の半数は「マインドフルネスヨガ」、もう半数は「SRTE」に、1:1の割合でランダムにグループ分けされました。マインドフルネスヨガは90分のグループクラスで提供され、SRTEは60分のグループクラスとして、どちらも8週間提供されました。

[ヨガの内容]
週に1回の90分グループレッスン+週に2回、20分程度の自宅ヨガを実習
・12の基本的なハタヨガポーズ, 太陽礼拝(60分)
・呼吸法(15分)
・マインドフルネス瞑想(15分)

[SRTE(筋力トレーニング)の内容]
週に1回の60分グループレッスン+週に2回、20分程度の自宅トレーニングを実習
(2人の理学療法士によって評価)
・ウォームアップ
・レジスタンストレーニング
・ストレッチ
・クールダウンエクササイズ


【結果】
特に不安神経症について、ヨガグループの結果がSRTEグループよりも有意に改善されたことが明らかになりました。

【結論と関連性】
従来のストレッチや筋力トレーニングのエクササイズと比較して、ヨガは運動症状と可動性に関連する同等の効果がありました。それに加えて、『精神的苦痛』『精神的幸福』『健康関連の生活の質』に追加の効果を示しました」とのことで、効果的で安全な治療オプションであるように思われる結果でした。

引用文献は下記よりご覧下さい.

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