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ヨガが女性の睡眠改善に及ぼす効果

ヨガが女性の睡眠改善に及ぼす効果

ヨガが女性の睡眠の質を改善する、というこの研究結果、かなり納得感がありますね。女性はホルモン変化やライフステージによって睡眠に影響を受けやすいのですが、ヨガがそれに対処する有効な方法として注目されているのは嬉しいことです。特に、Pittsburgh Sleep Quality Index(PSQI)のスコアが有意に改善したというのは、実際の効果を裏付ける数字で説得力があります。

また、ヨガが安全で副作用がほぼないという点も評価されるべきポイントですよね。「薬に頼りたくない、でも睡眠の質を上げたい」という女性には、ピッタリの選択肢ではないでしょうか。呼吸法や瞑想が副交感神経を優位にしてリラックス状態を作り出す、というメカニズムも、まさに睡眠準備には理想的です。

一方で、乳がん患者や更年期女性では効果が限定的だった、という結果も考えなければいけません。これらのグループではホルモンや身体的ストレスが複雑に絡んでいるため、ヨガ単独では不十分な場合もあるのかもしれません。ですが、この結果から「ヨガは万能ではないけれど、他の療法と組み合わせることでさらなる効果を発揮する可能性がある」という見方もできると思います。

さらに注目すべきは「セッション時間が長いほど効果が大きい」という点ですね。ヨガは短期間の「対症療法」ではなく、継続的なプラクティスとして取り入れることで、より大きな恩恵が得られることを示唆しています。ヨガレッスンを提供しているスタジオの皆さまは(もちろん平岡のスタジオでも最優先で考えなければいけないですね)、短期集中ではなく、日常的に続けられるアプローチを提案していきたいですね。

最後に、この研究が安全性にもしっかり触れていることも大事です。

今後は、ヨガの種類や個々の体験に合わせたより細かい分析が必要です。「どのスタイルがどの人に合うのか?」という視点がもっと広がると、さらに多くの人に恩恵が届くのではないでしょうか。

 下記、研究の要約まとめです。

The effect of yoga on sleep quality and insomnia in women with sleep problems: a systematic review and meta-analysis

Wang, WL., Chen, KH., Pan, YC. et al. The effect of yoga on sleep quality and insomnia in women with sleep problems: a systematic review and meta-analysis. BMC Psychiatry 20, 195 (2020). https://doi.org/10.1186/s12888-020-02566-4


『ヨガが女性の睡眠の質と不眠症に与える影響:系統的レビューとメタ分析』


【背景】
睡眠の問題は、現代社会で非常に一般的な健康課題の一つであり、特に女性では男性よりも不眠が約1.4倍多く見られます。女性の特定のライフステージ(思春期、妊娠・産後、更年期)では、ホルモン変化が睡眠構造に影響を与えることがあります。薬物治療や行動療法など様々な治療法がありますが、副作用や効果の持続性が課題となることも多いです。一方で、ヨガは伝統的なエクササイズとして精神的・身体的な健康を促進する手法として注目されており、その中で睡眠改善への効果が注目されています。


【睡眠の質について】
「睡眠の質」という概念は、睡眠医学で広く議論されています。良好な睡眠の質は、睡眠の満足感、寝つきやすさ、睡眠の持続時間、目覚めた後のリフレッシュ感を統合したもので、健康や日中の機能性、心理的幸福感とも密接に関係しています。一方で、睡眠の質の悪さは不眠症の特徴的な要素とされています。


【女性と睡眠】
女性特有の生理的な変化やライフステージが睡眠に影響を及ぼします。例えば、更年期や乳がんの治療を受けた女性では、睡眠の質が低下する傾向があります。これらの課題に対処するためにヨガが一つの解決策として注目されています。


【方法】
本研究では、ヨガが女性の睡眠問題に与える効果と安全性を評価するために、ランダム化比較試験(RCT)の系統的レビューとメタ分析を実施しました。対象となるRCTを特定するために、PubMedやCochrane Libraryなどの主要なデータベースを用い、女性を対象にしたヨガと対照群の比較研究を抽出しました。主な評価項目は、Pittsburgh Sleep Quality Index(PSQI)やInsomnia Severity Index(ISI)などの指標を用いて睡眠の質や不眠の重症度を測定しました。


【サンプル】
19の研究が含まれ、総計1832人の女性が参加しました。参加者は健康な成人女性、更年期女性、乳がん患者、糖尿病患者など多岐にわたりました。ヨガのプログラムは、さまざまな種類(ハタヨガ、アイアンガーヨガ、リストラティブヨガなど)やセッションの頻度・時間で構成されていました。


【結果】
全体として、ヨガは女性の睡眠の質を有意に改善することが示されました(SMD = -0.327, 95% CI = -0.506 to -0.148, P < 0.001)。
一般女性では、PSQIスコアを用いた分析で有意な改善が確認されました(SMD = -0.54, P = 0.003)。
一方で、乳がん患者や更年期女性のサブグループでは、ヨガによる有意な効果は観察されませんでした。
安全性については、深刻な副作用は報告されていません。


【考察】
ヨガは、特に非活動的な対照条件と比較した場合、女性の睡眠問題を改善する上で有用であることが示されました。ただし、乳がん患者や更年期女性においては、効果が限定的であった理由として、対象群の特性やホルモン変化などが影響している可能性があります。また、セッションの総時間が長いほど、効果が高まる傾向があることが確認されました。


【結論】
ヨガは、一般的な女性の睡眠問題に対して有益で、安全な補完療法として活用できる可能性があります。特に、乳がんや更年期ではない女性では、効果が顕著であることが示唆されています。ただし、より多くの高品質な研究が必要であり、長期的なフォローアップや安全性の評価が求められます。

引用文献は下記よりご覧下さい.

もし、掲載内容と論文に誤りがございましたらご連絡いただけると幸いです。

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