top of page
studio Sahana logo ヨーガ ヨガ ヨガスタジオ ヨガセラピー
Study

ハタヨガがストレス軽減や注意抑制に及ぼす効果を探る研究

ハタ��ヨガがストレス軽減や注意抑制に及ぼす効果を探る研究

皆さん、「ハタヨガ」というヨガの名前を聞いたことがあるでしょうか。

ハタヨガ(Hatha Yoga)は、身体、呼吸、心を調和させるヨガの実践体系であり、インド発祥の伝統的なヨガの一部です。現代では、西洋や日本を中心に健康維持やストレス解消のために広く実践されているものですね。

つまるところ、日本のスタジオの多くで行われているヨガのレッスンは、この「ハタヨガ」という種類に分類されます。

このハタヨガがストレス軽減に効果的であるという結果は、多くの既存研究あるんですね。

今回ご紹介する研究では、ストレス反応性の低下も観察されており、これはハタヨガの身体的要素(アーサナ)と心理的要素(マインドフルネスや呼吸法)の相乗効果によるものと考えられます。

また、マインドフルネスの向上が確認された点は、現代社会におけるストレス対策としてのハタヨガの有用性を支持するものです。

特に、マインドフルネスが高い参加者ほどストレス軽減効果が大きいという結果は、個々のマインドフルネスの状態がヨガの効果を左右する可能性を示唆しています。

 下記、研究の要約まとめです。

The influence of hatha yoga on stress, anxiety, and suppression: A randomized controlled trial

Bence Szaszkó a, Rebecca Rosa Schmid a, Ulrich Pomper a, Mira Maiworm a, Sophia Laiber a, Hannah Tschenett b c, Urs Markus Nater b c, Ulrich Ansorge a d e
a: Department of Cognition, Emotion, and Methods in Psychology, University of Vienna, Liebiggasse 5, 1010 Vienna, Austria
b: Department of Clinical and Health Psychology, University of Vienna, Liebiggasse 5, 1010 Vienna, Austria
c: University Research Platform “The Stress of Life – Processes and Mechanisms Underlying Everyday Life Stress”, University of Vienna, Liebiggasse 5, 1010 Vienna, Austria
d:Vienna Cognitive Science Hub, University of Vienna, Kolingasse 14-16, 1090 Vienna, Austria
e: Research Platform Mediatised Lifeworlds, University of Vienna, Spitalgasse 2-4, 1090 Vienna, Austria

Received 20 October 2023, Accepted 30 October 2023, Available online 4 November 2023, Version of Record 4 November 2023.


『ハタヨガがストレス、不安、抑制に与える影響:ランダム化比較試験』


【背景】
ヨガはインド発祥の身体的、精神的、そしてスピリチュアルな実践であり、西洋でも健康効果を求めて広く普及しています。本研究では、特にストレス、不安、注意抑制能力にヨガがどのような影響を与えるかを探求しました。ヨガの健康効果はすでに多くの研究で報告されていますが、特に注意抑制(集中力や注意を向ける能力)に関する影響はまだ十分に解明されていません。


【ハタヨガとは?】
ハタヨガは、身体的なポーズ(アーサナ)と呼吸法(プラーナーヤーマ)、そして瞑想を組み合わせたヨガの一形式で、特に西洋で最も一般的に実践される形です。本研究では、ハタヨガを8週間にわたって実践することで、ストレスや注意抑制、不安に与える効果を調査しました。


【ヨガとハタヨガの分かりやすい違いって?】
ヨガは、瞑想や呼吸法、哲学を含む幅広い概念を指します。一方でハタヨガは、身体的な動きや姿勢に重点を置きつつ、呼吸やマインドフルネスの要素を取り入れる実践です。この点で、瞑想中心のヨガとは異なり、身体的アプローチが特徴的です。


【目的】
本研究の目的は以下の通りです:
・ハタヨガが自己報告されたストレスとストレス反応性を軽減するかどうかを確認する
・ヨガが注意抑制能力を向上させるかを調べる
・マインドフルネス(現在の瞬間に注意を向ける能力)が向上するかを評価する


【方法】
18~40歳の健康なヨガ初心者98名をランダムに「ヨガ実践グループ」と「待機リストグループ(対照群)」に分け、事前と事後の評価を実施しました。ヨガ実践グループは8週間にわたり、週3回以上のハタヨガセッションに参加。
評価方法は「質問票(ストレス、不安、マインドフルネス)」と「電気生理学的測定(EEG)」「行動実験(注意抑制課題)」


【サンプル】
参加者:98名(健康なヨガ初心者、平均年齢25歳)
選考基準:過去1年間に月2回以上のヨガ実践歴がないこと、健康状態が良好であることなど。


【結果】
▼ストレスの軽減:
ヨガ実践グループでは、ストレスとストレス反応性が有意に低下しました。

▼マインドフルネスの向上:
ヨガ実践グループではマインドフルネススコアが増加しました。

▼注意抑制能力:
注意抑制能力には有意な変化が見られませんでした。

▼不安:
状態不安や性格的不安においても有意な変化は確認されませんでした。


【考察】
本研究は、ハタヨガがストレス軽減とマインドフルネス向上に効果的であることを示唆しました。一方で、注意抑制や不安に直接的な影響は確認されませんでした。特にマインドフルネスが高い参加者ほど、ストレス軽減効果が顕著であることが分かりました。また、注意抑制能力に変化が見られなかった理由として、実験課題の難易度やサンプルサイズが影響している可能性が指摘されています。


【結論】
ハタヨガの定期的な実践は、ストレス軽減やマインドフルネスの向上に効果的であることが確認されました。ただし、注意抑制能力や不安には直接的な影響は認められませんでした。この結果は、ハタヨガが精神的健康に対するポジティブな効果を持つことを裏付けるものです。

引用文献は下記よりご覧下さい.

もし、掲載内容と論文に誤りがございましたらご連絡いただけると幸いです。

bottom of page