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156:長寿とアーユルヴェーダ
時たま、このメルマガでも長寿と健康法だったり、食事について書かせていただいておりますが、とても身近なところに良き例である長寿の祖母が居ました。7月生まれが多い僕の家族なのですが、祖母は今月で91歳を迎えます。なんと、介護要らずどころか、携帯電話もきちんと使える程に元気なんですよ。
祖母の場合は質の良い食事や睡眠をとっている他に、園芸や畑などでの「土いじり」、家事や手芸などでの「手仕事」が健康寿命を延ばす大きな要因になっているのではないかと思われます。このあたりの認知機能や微生物関係の話は、またの機会に取っておきまして(まぁ今までもしてきたわけですが、まだまだありますよ…)、今回はアーユルヴェーダのお話をしようと思っていたんです。
アーユルヴェーダにも「ラサーヤナ」と呼ばれる、若返り、長寿、そして不死を目的とした科学があります。「不老不死」なんて聞くと胡散臭いこと極まりないのですが、今現在の健康というよりも、「肉体に受け継いだ遺伝子的弱点を知り、生活習慣や食事、ハーブや精油を用いて、それらの弱点を癒していくこと」が目的です。
皆さんも、病院に行くとご家族の病歴を聞かれると思いますが、アーユルヴェーダも大昔から弱点は遺伝していくものであると考え、それらを正しく知り、今の生活をうまく調整することによって病気の発症は起きないとしています。
遺伝を含めた自分自身の体質を見極めることが大事なんです。そして、自分の体質に合ったハーブとオイル、アーサナなどのボディワーク、呼吸法、瞑想、マントラ(読誦)、さらには体内の大規模な浄化法(パンチャカルマ)を組み合わせれば、病を患うことなく長く生きれると考えられています。
つまるところ、漫画のように不老不死の薬草を飲むわけではなく、「毎日の正しい選択と積み重ねが大事である」と伝えています。
これは僕の体験談なんですけども。インドのヨガ療法施設や、アーユルヴェーダ病院で実習生として患者さんを診る中で、「私に治療をしてくれ」と多く呟いていた方より、毎日自分の生活と向き合いながら能動的に過ごされていた方の方が、表情が良くなるのはもちろんのこと、生理学的な数値もとても改善されていました。
皆さんも、仕事が忙しかったり、家事や育児が大変だったり、自分一人でなく多くの人たちと関わりながら生活する中で、どうしても自分のことが疎かになっていませんか。一日の内に一食だけでもゆっくりと食事を味わってみたり、5分だけでも浴槽に浸かってみたり、寝る前に少し読書してみたりと、自分の為だけの時間をお過ごし下さい。
Sahanaメルマガ vol.314(2023年7月)より