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145:新年度、ウェルカム苦痛
4月になると「新学期だなあ」とか「この時期は体力テストやったよなあ」とか、「体育教師に胸ぐら掴まれていたよなあ」とか思い出します。このご時世ではどうしても説明できない“胸ぐらを掴まれていた”という出来事を、当時の僕は何とも思っていなかった体育コースの高校一年生でした。
胸ぐらを掴まれる話はめちゃくちゃ悪い例なのですが、われわれ人が心身共に健康で過ごすためには適度なストレスというものが必要不可欠になってきます。そしてこのストレスという言葉だと、人によって捉え方が変わってしまうので、今回はシンプルで分かりやすい“苦痛”について着目してみます。
例えば、体を動かした後にやってくる筋肉痛がとても分かりやすいと思うのですが、強度が高めの運動をすることで体の機能が向上します。まぁ「運動って体にいいよね」ということは皆さんご存知だと思います。この運動、1日10~20分ほど強度高めのいわゆる激しいエクササイズを毎日繰り返すと、心疾患での死亡率を約45%引き下げ、全ての死亡率を約30%も引き下げると言われています(この論文のデータが約10年も前なので、あまり信頼はしないでください…)。
そして運動をすることによって肉体が健康になり、さらに“肉体が健康な人ほど実年齢が見た目より若い”と実証されていることをご存知でしょうか。日本人を対象にした研究では、実年齢よりも肌のシワやシミが少ない人は、内臓脂肪が少なく、動脈硬化のリスクも少ないと判断されています。
付け加えて面白いことに、周囲から「お若いですねえ」なんて言われたり、若く見られる人ほど、寿命が長い(生存率が高い)とも言われています。
実は、運動によって体が健康になる仕組みは詳しく解明されていないんですよ。ホルモンなのか?カロリーなのか?とか、色んな仮説は検証され続けているみたいですが、正確には分かっていないそうです。
その中で有力的に考えられている説の一つが、刺激/少量の苦痛が大きな要因になっているんじゃないか、ということなんです。先述した筋肉痛の例も然り、「野菜が体にいい」と言われていることも「野菜が体に苦痛を与えているから良いんじゃないか」と考えられていたり。そのあたりのお話はまた次回のメルマガにて。
Sahanaメルマガ vol.302(2023年4月)より