Mail Magazine
128:食欲の秋
皆さま、今年の「食欲の秋」は順調でしょうか。
味の好みは人それぞれですが、レタスはシャキッとしている方が、天ぷらやフライはサクサクしている方がより美味しく感じるのは、ほとんどの方が共通している感覚ではないでしょうか。
僕たちは「サクサク」だったり、「パリパリ」または「シャキシャキ」したものをより魅力的に感じるようです。
そんなサクサク感が美味しい天ぷらですが、意外にも天ぷらは生粋の和食ではなく、ポルトガルから伝わった食べ物なんですよね。
他にも豚カツや唐揚げなども、それぞれ海外から伝わったものを和食文化に取り入れているわけですが、どうやら“食感”には人種も国境も超える大きな魅力があるようです。
僕たちは食事をする際には、顎を動かして咀嚼していますよね。
この咀嚼の際には必ず音が出ているので、食事は「味覚」「嗅覚」だけでなく「聴覚」も使っていることになります。
ですが、いつも口の中でたくさんのものを咀嚼しているので、脳が慣れてくるとわざわざその音を聞かなくなっていくわけです(が、他人の音はとても気になるのでマナーって大事ですね…)。
そんな咀嚼音に慣れた脳を刺激してくれるのが「サクサク」という音、食感なんです。
たとえ味が気にいらずとも、サクサクという食感さえ味わえれば十分に満足感を得られるほど、この音は僕たちの脳にとって別格のようです。
つまり、苦手な食材もサックサクの天ぷらにすると美味しく食べられるかも、しれませんね。
ちなみに動物性食品の中で最もサクサクしている、または調理によってサクサクにできる食物としては昆虫が挙げられるらしいです。
近い将来、さらに主流に近づくかもしれない昆虫食、もしかしたら多くの方がサクサク感にハマるかもしれないですね(たとえ流行ったとしても、僕は口にしなくても大丈夫かなって思っています…)。
虫の話で終わるのも後味が悪い気がしますので(テーマが食欲だけに、ですね…)、昔のメルマガで聴覚と脳のリラクゼーションについて書いておりましたので、「芸術の秋」としてご紹介しておきますね。
特に能や歌舞伎など、日本の伝統的な音楽がお好きな方は是非ともご覧ください。
Sahanaメルマガ vol.279(2022年11月)より