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Mail Magazine

127:生きること、代謝②

ちょっと前のメルマガで、破壊の神様シヴァから代謝の話になりまして、今日はその続きのお話を。

多くの方が「食欲の秋だねえ」なんて口にしてしまうこの季節、食に関係するテーマなのでちょうど良いんじゃないかなと思っております。

皆さん、美味しい秋の味覚を味わっていらっしゃいますか。



という問いかけの後に切り出す話題ではないんですけども、「僕たちは毎回の排便で小腸の細胞を排出している」ということを以前お話ししました。

これは小腸という臓器が、“食物を運搬”しながらも“栄養を吸収”しなくてはならないという過酷な役割の為、小腸の上皮細胞は約5日というなんとも短い寿命なのです。



そんな訳で、ほぼ毎日、僕たちは小腸から剥がれた細胞を体外へ出しているわけですが、だからといって小腸が日に日に小さくなっているかというと、そうではないですよね。

日々新しい細胞がつくられていますので、剥がれた分はしっかりと補填されています(5日前と今とでは、もうすっかり小腸の表面は入れ替わっているわけなのです)。



このような「細胞が入れ替わっている」という話は中学生?小学生?頃から聞いてきたことなので、「あーはいはい」と何となく分かる気がしますよね。

大昔のインド人は、自然と人を含む宇宙全体は「破壊」と「創造」と「維持」で構成されていると説いたわけでして、彼らは既に細胞の入れ替わりについての仮説を立てていたのかもしれません。



生体として人を見た時、現代科学では「生命は流れている」という、“入れ替わり”よりもさらに細かいような流動的な表現が使われます。

生体を構成する分子は全て高速で分解され、食物として摂取した分子と置き換えられています(上述の細胞の話とほぼ同じですね)。



摂取している食物は(体外の)環境からやってきて、分解したものはまた(体外の)環境へ排出されているということは、僕たちの身体は一時的に分子が集まって形を成しているものとも言え、生体は環境という流れの中にいるもの、もしくは流れそのものとも言えるわけなのです。



素人の僕が生体の仕組みについて解説しようと試み、余計に皆さんの頭の中に「?」を増やしたかもしれませんが、ヨガやアーユルヴェーダが言いたい「体は自然の一部である」という説が何となく伝わりますと幸いです。



生体として見た時には、体の分子は数カ月もあればほとんど全て置き換わっているわけでして、数ヶ月の自分がどんな体を保っているかは、“今何を食べるか”が直に影響しているのです。

ちなみに、少し前に「ニンジンばかり食べていると体がオレンジ(ニンジン)色になる」という科学論文が発表されていましたね。



Sahanaメルマガ vol.278(2022年10月)より

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