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112:感覚、座り方
先日5月5日はこどもの日であったと同時に二十四節気での立夏であり、暦の上ではもう夏なんですよね。
大人になって得意の口癖の一つが「もう○○」だと思うのですが、これは歳を重ねるごとに僕たちの新陳代謝速度が確実に遅くなるので、体内時計が徐々にゆっくりとなっていくかららしいのです。
体内時計が実際の時計の針よりも遅いので、その差で“あっという間”に感じるのだとか。
立夏も過ぎて夏に近づいて…と、その前に梅雨がやって来ますね。
最近汗ばむほど暖かい日が多かった横浜ですが、本日5月9日は最高気温は20℃以下で、このメルマガを書いている今では11℃の表示です。
「また急に肌寒くなるなんて、、、、」と思いますよね。「大型連休が明けて」「昨日と比べて気温差が大きくて」など、特に今日は多くの変化を感じられていませんか。
いつの時代でも、どの瞬間でも、当たり前のように自然は変化していますし、それと同様に僕たち自身も変化しています。
「我々人も自然の一部なんだから」と、「だから変化することばかりに惑わされないように」と、3,000年ほど前から今日にかけて、ヨガも発展してきました。
現在のヨガスタジオで行われているヨガのポーズは、もともと“座り方”のことだったんです。そして、その起源の一つが、座ることによって“2つの対立したものに惑わされなくなる為”だったのです。
2つの対立したものとは、例えば「寒い⇔暑い」とか、「好き⇔嫌い」「美しい⇔醜い」などの自分の周りの環境に対する感覚や、自らの体や感覚に対する心の揺れ動きです。
「体と呼吸が安定すれば、心の揺れ動きも安定するのでは?」と考えていたヨーガ行者たちは、快適且つ安定した座法を見出し、それによって「周りの環境も、自分の体も、ただただ変化するものである」と見極める力を高める修行をしていたのです。
とある書によると、「安定して快適に座り続けられると、時間にも囚われることがなく───」とあるのですが、大昔からのヨガ修行では時間という束縛からも脱したい、自由になりたいと考えられていたんです。
昔のことで後悔したり、将来のことで心配になったりして当たり前だとは思いますが、色んなことで忙しい現代は心の揺れ動きが顕著かもしれません。
そんな時だからこそ、“ちゃんと座る”ことでより“今”に意識を向けて、色んな変化に振り回されづらくなりたいものです。
Sahanaメルマガ vol.253(2022年5月)より