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100:冬の本番
「寒くなりましたねえ」なんて言葉を多く口にしている最近ですが、皆さま暖かくしてお過ごしでしょうか。ついでに「なんだか今年は去年よりも寒いですよね」なんて言っておりましたが、ちゃんと調べたら2021年1月の横浜もだいたい同じような気温だったみたいで、“人は今の気分で過去の記憶を捻じ曲げてしまう生き物なんだなあ…”と思ってしまいました(と、まぁ、主語を大きくしただけで僕の話なんですけどね、、、)。
先週1月20日は大寒、1年で最も寒さの厳しくなるころを表した二十四節気だったのですが、まさにその通りまた一段と寒くなりましたよね。二十四節気をさらに分けた七十二候では、大寒の初候が「款冬華(ふきのはな さく) : フキノトウが蕾を出す」とのことで、この寒さを乗り越えれば、春へのカウントダウンが始まる気がします(天然物のフキノトウは雪解けとともに芽を吹くので、早いところは1月~、遅いところで4月上旬までが旬となる野菜なんですよね)。寒いのが苦手な僕は、「もう少し、、、」と思えば、残りの冬も楽しめるんじゃないかなと思っています。
皆さんは、寒がりでしょうか、それとも暑がりでしょうか。そして皆さんの出生地はどこでしょうか。生後1年間に経験する気温により、どれくらいの汗腺が神経線維(脳の調節部分から発汗を促す電気信号を受け取る神経線維)に繋がるかが決まるみたいです。つまり寒い土地で生まれた人の方が、寒さに適したあまり汗のかかない皮膚をもっているのです。ですが、寒い土地で生まれた後、暑い土地に移住した人は、体温調節がうまくできず(あまり発汗を促せず)に熱中症になりやすいとされています。
ここでヒトの適応力として凄いところが、寒い北方地域出身の両親が、南方の暑い地域で子どもを出産すると、生まれた子は北方系の遺伝子を持ちながらも発汗しやすく、暑さにも耐えられるのです。環境に対応する遺伝子の変化が、次世代にすぐに現れるという、柔軟性の高い発達が、人類が長い距離を素早く移動できた理由として考えられているそうです。寒いところにも暑いところにも、いろんな場所で人は住んでいますもんね。
こんな寒い時に暑い日のことは思い出すのはなかなか難しいですが、皆さんの出生地と、ご両親の出生地を掛け合わせると、皆さんの皮膚は寒いところ向きなのか、暑いところ向きなのか、それとも暑くても寒くてもどちらでも大丈夫なのかが分かって面白そうですね。
Sahanaメルマガ vol.238(2022年1月)より