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Mail Magazine

074:他人と自分、気分

ここ横浜も、ようやく梅雨らしい天気になったと言いますか、雨の日が続きますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。このコロナ禍で鍛えられて、家から出なくても全然平気だなんて方も多いかもしれませんね。



「この頃、酔っ払いの方は本当に素行が悪くて──」って、今日タクシーの運転手さんから聞いた話なんですけども、コロナ禍のストレスで色々と抑えつけられているせいなのか、お酒を飲むと鬱憤をぶつけてくる客が多くて大変らしいです。そういえば先週も違う運転手さんが同じような話をされていて、酔っ払い客の相手をする機会も多い職業の方が感じることなので、“まぁまぁ統計もある話だなあ”と思ったり、“でもまぁ個人の感覚だしなあ”と思ったり、それ以前に、目的地まで運転手さんの聞き役になることが多いので、その分運賃下げてほしいなあ…と思ったり、、、。



飲み屋での出来事は分かりませんが、気分って伝染しますよね。家庭内だったり、友人たちの集いだったり、はたまたミーティングメンバーの中に1人でも不機嫌そうにぷんすかしている人がいると、“なんだか場の空気が悪いなあ…”と感じられた経験がきっとあるのではないかと思います。そして意外にも、この「気分が伝染してしまうこと」について研究した科学者がいまして、大学生たちを無作為に選び出し、元気のない学生(不名誉な呼ばれ方の学生ですよね…)とルームメイトとして同室で暮らしてもらった結果、学生の多くは3カ月で元気が無くなったそうです。反対の結果もありそうなところですが、この研究では、負の気分の方が伝染しやすい環境だったんでしょうね(それほど“元気のない”学生を見つけてきた研究者もすごいところです…)。



僕たちの身体は無意識的な反応をしていることが多く、「笑う」も「泣く」も反射的だったりします。皆さんは、つられ笑いや、貰い泣きをしたことがありませんか。思わず笑い声を出してしまった後に「楽しかったから笑ったんだな」とか、思わず涙をこぼしたあとに「悲しいから泣いたんだな」とか、自分の無意識的な反応に対して、後から合理的なストーリーをつけていることもしばしばなのです。泣いている時に「なんで泣いてるの?」と聞かれて、“「泣きたかったから」では答えにならないから理由を探した──”、なんてご経験はないでしょうか。有名な哲学者の誰かも「悲しいから泣くのではなく、泣くから悲しいのだ──」のようなこと言っていませんでしたか…?



リモートワークが続く状況で、同じ屋根の下に一緒に過ごすご家族がいらっしゃる方は、仕事のモヤモヤやストレスで難しい顔をしていると、家族みんなに伝染してしまうという問題も起こりますよね(「いやいや、ストレスのない清々しい顔をしていても、旦那がずっと家にいるだけで…」という意見も聞こえてきそうですが、、、)。父親の不機嫌が家族みんなに──という書き方をしてしまったのですが、なんと面白いことに、父親の感情は妻と息子に強く影響を与えるんですけど、娘にはほとんど影響がないそうです。良くも悪くも父と娘は分かり合いづらいんでしょうかね、、、。



じゃあどうすればいいのかってことなんですけど、自分で自分の機嫌を取れとか、心のコントロールがどうとか…等々言うつもりはありません。お勧めしたいのは簡単なことでして、在宅時間が長く人に会う機会が無い日でも、男性の方であれば毎日髭を剃ったり髪の毛を整えたり、女性ではあればお化粧やスキンケアに時間をかけることが、自分の表情だけでなく、気分も良くしてくれる方法になるんですよね。セルフケアって、自分だけでなく周りの人たちにもとても良い影響を与えているんですよ、というのが今回のメルマガでお伝えしたいことでした。そうです、高価な髭剃りセットも、高価な化粧品も、必要経費なんです。なんだか「必要経費」って良い言葉じゃないですか?



Sahanaメルマガ vol.209(2021年7月)より

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