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Essays
2016年08月

2016年08月


 皆さまは海外滞在中に不測の事態に遭遇したことはあるでしょうか。ただでさえ日本とは勝手の違う海外において、予想外の出来事の対処ですら予想外だったりします。


 インド人の友達から貰ったガムの粘着力が強すぎて、噛んでる際に歯の詰め物が取れた時の話です。日本のガムの優しさに初めて気がついたと同時に、歯に穴があいた状態でインドで生活することに恐怖を抱きました。すぐ当時住んでいた家のサーバント(お手伝いさん)に歯医者に連れていってくれと頼んだら、見事なまでにローカルな歯科医院に連れていってくれました(写真)。


 雑巾用だろうと思っていたバケツで洗われ、床拭き用だと思っていた雑巾で拭かれたドクターの手が口のなかに入った瞬間には「こうやって人は強くなっていくんだろうな」と悟りました。


 世界には日本では考えられないような衛生環境がもちろん存在しますし、そのような環境で治療を受ける人たちも大勢います。それどころか治療費を払うことができない人もいるのです。治療施設や医師、清潔な水や機器、治療が受けられるシステムが整備されてる日本にいることを改めて感謝すべきだと実感するとともに、それだけでも十分に豊かな暮らしではないだろうかと考えさせられました。


 どんなに大変な出来事を経験しようが、汚い歯科医院で治療を受けようが、健康でさえいれば、いつかの笑い話にできますね。このあともちろん綺麗な歯科医院に行きました。



Busport2016年9月号より

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